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動くホットスポット

2015.01.13

Updated by Kenji Nobukuni on January 13, 2015, 10:00 am UTC

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ポルトガルにある米カーネギーメロン大学アベイロ校の元校長とアベイロ大学教授が作ったスタートアップ、Veniamはシリコンバレー(マウンテンビュー)にも拠点を持っているが、最初に商用システムをローンチしたのはポルトガル北部の港湾都市、ポルトだった。
ポルト市内にはWi-Fiのハブが多数設置されており、ゆくゆくは同市をシームレスに覆うアクセスネットワークに成長する予定なのだが、ユニークなのはバスを使ってカバレッジを広げていることだ。

600台を超えるバスにアクセスポイントが実装されていて、乗客がスマートフォンなどのインターネット接続に利用することができる。Veniamの場合は、バス内のアクセスポイントは、道路脇などに設置されたWi-Fiハブと通信する。固定されたWi-Fiハブとの距離が拡がると、次のハブにつなぎ直す。バスにはセルラーの通信ユニットも搭載されているが、あくまでもバックアップに過ぎない。搭載されているWi-FiホットスポットはNetRiderという名の車載ユニットで、路-車間、車-車間、バックアップ用のセルラーの通信機能を持ち、クラウドで管理される。

Wi-Fiハブの設置にはコストがかかるが、かといって数百台にも及ぶ公共交通機関がセルラー網を使い続ければランニングの通信費がかさむ。Veniamの構想は、まずはバスから、次には一般車両も含めて(自動車が走っている場所には人間がいるから)ネットワークのノードに変え、車-車間通信まで活用した通信インフラを新しく構築すると同時に、ビッグデータ収集の基盤としても活用しようというもの。「IoMT」(動くモノのインターネット: the Internet of Moving Things)を作るということだそうだ。

同社は「ポルトガルではバス乗客のスマートフォン利用者のうち73%が使った」という実績を背景に12月に490万ドルの資金調達に成功し、アメリカ進出を本格化させる。

【参照情報】
Veniam社のウェブサイト
Veniam社のニュースリリース
Turning Public Transit into Smart City Hot Spots

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来