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フランスで「年賀SMS」減少、台頭するMMSとメッセンジャーアプリ

2015.01.27

Updated by Hitoshi Sato on January 27, 2015, 12:53 pm UTC

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フランスの通信事業者3社(Orange、SFR、ブイグ・テレコム)の集計によると、フランスにおける「年賀SMS(ショートメッセージ)」の送信数は、2015年に前年比で初の減少を記録した。代わりに、MMS(マルチメディア・メッセージ)とメッセンジャーアプリ、ツイッターなどのソーシャルメディアでのメッセージが増加した。

日本でも年始の挨拶のために、メールや電話を多くの人がすることから通信事業者は利用を避けるように毎年、注意喚起を出している。そのため、年始はネットワークがつながりにくいことが多い。そのような現象は日本だけの問題ではない。海外ではメールの利用よりもSMS(ショートメッセージ)が多い。しかし、その「年賀SMS」の送信数もフランスでは2015年の年始には減少したようだ。

Orangeの「年賀SMS」は大晦日の午後9時から元旦午前2時の間に1億351万7,280通(前年比14%減)、同じ時間帯にブイグ・テレコムは4,900万通(前年比で20%減)がそれぞれ送信された。 SFRは正確な数字を示さず、減少幅が約10%に達したと発表したが、元旦0時のピーク時の送信数は毎秒2万7,600通で、前年並みだったとした。Orangeのピークは元旦0時2分で毎秒2万8,170通だった。フランスの通信事業者3社のSMSが減少する一方で、2012年1月に新規参入したFreeでは、大晦日の午後9時から元旦午前2時のSMS送信数が5,700万通に上り、前年の4,840万通を上回った。

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「年賀SMS」の送信が減少する一方で、スマートフォンの普及に伴い、ビデオや写真付きのMMS(マルチメディア・メッセージ)送信数は急増した。Orangeで28.57%増、SFRで20~25%増、ブイグ・テレコムで17%増を記録した。

ブイグ・テレコムでは、メッセンジャーアプリでのメッセージ送信数も増加したとしているが、正確な数字は示せないとしている。 このほかにも「年賀Twitter」の数は、元旦0時から12時までの間に51万2,000通を数えた。元旦0時29分には1秒間に3,333ツイートされた。

日本でも年賀状の発行枚数が年々減少しており、人々の挨拶が電話やメールに代替されるようになった。そして日本でもメールからLINEやFacebookなどのメッセンジャーアプリ、ソーシャルメディアへと「年始挨拶」のプラットフォームは移行してきている。日本では、昔からモバイルインターネットが普及しており、人々は携帯電話のメールを使いこなしていたが、海外ではSMS(ショートメッセージ)が主流であり、通信事業者にとっては重要な収入源である。確かに文字(テキスト)しか送信できないSMSよりも写真や動画、スタンプも送信できるMMSやメッセンジャーアプリの方が利用者から見たら魅力的である。

通信事業者にとっては、MMSの利用が増加していること、パケットを利用するメッセンジャーアプリの利用も増加していることから「年賀SMS」の減少は「それほど大きな痛手」ではないのかもしれないが、フランスの通信事業者も新たなパラダイムシフトを迎えつつある。

【参照情報】
French choose alternatives to SMS for New Year wishes
Le traditionnel SMS de bonne année, c'est terminé 😉

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。