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カンボジア、ミャンマーで台頭する携帯電話メーカー「Singtech」

2014.01.09

Updated by Hitoshi Sato on January 9, 2014, 16:30 pm JST

日本では全く馴染みがないかもしれないが、ローカルでは有名な携帯電話メーカーというのがある。カンボジアやミャンマーで活躍している「Singtech」もその1つであろう。2011年9月からカンボジア、ミャンマー市場で携帯電やスマートフォンの販売を行っている。「Singtech」は名前から想像がついた方も多いかもしれないがシンガポールの企業である(同名で車の部品を作っているSINGTECHとは別の会社である)。

同社ではローエンドのフィーチャーフォンからハイエンドのスマートフォンまで市場のニーズにフィットした製品を提供している。スマートフォンも100ドル程度で、カンボジアの都市の若者やビジネスマンでも十分に購入できる価格である。同社はスマートフォンや携帯電話のほかにもPCやタブレット、モニターも販売している。

まだサムスンやアップルのようなグローバルなブランド力はないが、現地ではテレビ広告やビルボードも多く、デザインや機能でもグローバルメーカーのそれと遜色がないので、カンボジアでは人気が高い。

▼カンボジアでの「Singtech」のビルボード
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Singtechはシンガポールで設計し、台湾で製造し、カンボジアとミャンマーで販売するというグローバルなサプライチェーンを最大限に活かしてカンボジア、ミャンマーという新興市場において存在感を高めていこうとしている。設計やデザインをシンガポールで行い、製造を台湾で行うことによって製造コストの低減を行い、まだこれからスマートフォン端末の成長が期待されるカンボジア、ミャンマーで販売を行っている。このようなグローバリゼーションを活用した設計、製造、販売のモデルを上手に確立した会社が新興国市場においては生き残っていくことだろう。同社はカンボジア、ミャンマーという新興国市場でいち早くブランドを構築しつつあることから注目されているが、Singtechのビジネスモデル自体、それほど目新しいものではない。スマートフォンや携帯電話はコモディティ化してきている。今後、Singtechの手法を後追いしてくるメーカーも続出してくることだろう。地場のメーカーも台頭してくることだろう。さらに競争は激化していくことが予想される。

▼Singtechのサプライチェーンモデル
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▼カンボジアで販売開始した「Sapphire Prime P470」
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(出典:Singtech)

【参考動画】
▼Singtechのカンボジアでのテレビ広告

▼Singtechの端末販売を紹介するカンボジアのニュース。カンボジアの携帯電話販売の様子が伺える。但し、映像にあるような新製品のスマートフォンを大型デパートで購入できるのはまだプノンペンの富裕層がほとんどである。

【参照情報】
Singtechカンボジア
Singtechシンガポール

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。