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マイクロソフトから登場したローエンド端末「Nokia215」

2015.02.09

Updated by Hitoshi Sato on February 9, 2015, 17:55 pm JST

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フィンランドの携帯電話メーカーNokiaを買収したマイクロソフトは2015年1月、エントリーレベルのローエンド携帯電話「Nokia 215」と「Nokia 215 Dual-SIM」を発表した。中東やアフリカ、アジア、ヨーロッパで2015年第1四半期から販売を予定しており、販売価格は29ドルである。

両端末ともにインターネットへのアクセスが可能で、Facebook や Twitter などのソーシャルメディアもプレインストールされている。ブラウザは Opera Miniを搭載している(IEではない)。検索はマイクロソフトの Bingである。またフィーチャーフォンであるが「Facebook Messenger」アプリもプレインストールされている。「Nokia 215」はスタンバイ状態で最大29日間の連続駆動を実現、「Nokia 215 Dual-SIM」は最大21日間とバッテリーの持ちが良いのは電力供給の少ない新興国、途上国の市場ニーズにあっている。

マイクロソフトになっても「Nokiaブランド」でローエンド端末が新興国、途上国市場で販売される。このようなローエンドなフィーチャーフォンの需要は低価格なことから途上国での需要はまだ高い。そして途上国では「Nokiaブランド」はまだ健在である。

例えば、街灯がほとんどない途上国においては、トーチライトが点灯する携帯電話はNokiaの時代から大人気の機能の1つだった。今回の「Nokia215」もトーチライトが点灯する。Nokiaの時代から途上国において携帯電話販売を10年以上も続けてきたからこそ、このような市場ニーズを反映した端末を開発することができるのだ。

一方で、最近ではスマートフォンの低価格化、高機能化が進んできた。インドでは2014年にFirefox OSを搭載した30ドルのスマートフォンが登場している。いつまでもNokiaのローエンドなフィーチャーフォンが価格の面で優位な時代ではない。

マイクロソフトになってもNokiaのブランド力と当時の販売チャネルを活用していけるが、ローエンド端末の粗利率は良くない。つまり「薄利多売の戦略」で販売していかなければ採算が取れないことからメーカー側にとっては決して「美味しい端末」ではない。

マイクロソフトは自社の「Windows Phone OS」を搭載したスマートフォンを販売しているが、世界中のメーカーから販売されているAndroidのスマートフォンに後塵を拝している。マイクロソフトはいつまで「Nokiaブランド」に依拠して、このようなローエンドのフィーチャーフォンで勝負できるのだろうか。

▼街灯がほとんどない途上国においては、トーチライトが点灯する携帯電話はNokiaの時代から大人気の機能の1つだった。
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▼シンプルなデザインと最小限の機能そして低価格なフィーチャーフォンは途上国だけでなく先進国でも人気がある。
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(出典:マイクロソフト)

【参考動画】Nokia 215 - Connect to more around you

【参照情報】
マイクロソフトのブログ「Meet Nokia215」

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。