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「mineo」がドコモ回線も提供しマルチキャリア化、法人向けサービスも開始

'mineo' is starting a new service

2015.05.26

Updated by Naohisa Iwamoto on May 26, 2015, 20:50 pm JST

KDDI回線を使ったMVNOの代名詞であるケイ・オプティコムの「mineo」が、ドコモ回線を使ったサービスを始める。法人向けサービスもKDDIとドコモのマルチキャリアで提供する。ケイ・オプティコムが2015年5月26日に開催した「2015年度 新事業戦略発表会」で明らかにした。

発表会に登壇した同社 代表取締役社長の藤野隆雄氏は、「必要なものを必要なだけ--を目指したmineoは6月でサービス開始から1年を迎える。加入者数は7万人を超え、知名度があった関西以外での利用も増えている。プランや端末のバリエーションも1年で増え、ネット対応でMNPの即時切り替えができるサービスは大変好評だ」と現状を振り返る。そして「mineoの新しいチャレンジとして、マルチキャリアMVNOへと進化する。auだけでなく、ドコモの回線を使えるSIMも提供することで、スマートフォンと回線をより自由に選択できるようにする」と語る。

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具体的には、2015年9月に「mineo SIM auプラン」に加えて、「mineo SIM docomoプラン」の提供を開始する。法人向けではマルチキャリアのサービスもあるが、一般消費者向けではマルチキャリアのサービスは初めてとなるという。auプランとdocomoプランの間のプラン変更は、安価で手軽にできるような設定を検討中。スマートフォンを買い替えたときに、対応しているキャリアが変わった場合でもマルチキャリアのmineoならばスムーズに対処できる。

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将来構想として、SIMを交換することなくKDDIのネットワークとドコモのネットワークを自由に選択できる仕組みの導入も検討している。自動的に切り替えられる仕組みを提供できれば「エリアや混雑状況に合わせて自動的に切り替えるだけでなく、大規模災害時の通信手段確保などにも有効」(藤野氏)との考えだ。ただし、実現にはキャリアのホームロケーションサーバーの解放といった課題もあり、時期についてはできるだけ早期に実現したいとするにとどめた。

マルチキャリアのサービスならではの、キャリアの壁を超えた施策も提供する。家族間で余ったパケットを分け合える「パケットシェア」を、マルチキャリアにも拡張するというもの。ドコモ回線で契約している父のパケットを、KDDI回線で契約している娘にシェアするといったことが可能になる。

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9月には「パケットギフト」も提供する。こちらは、家族もキャリアも超えて、自由に余ったパケットをギフトできるサービス。友だちに余ったパケットを譲ったり、ネット上で世話になった人にお礼としてパケットをプレゼントしたりといった使い方ができる。

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また、これまで12カ月以内の解約で必要だった9500円の解約清算金を撤廃することもアナウンスした。7月に開始する。最低利用期間があることで、mineoの利用を躊躇するようなケースに対応するもの。ただし、12カ月以内に他社へMNPで転出する場合だけは、MNP転出手数料が1万1500円必要になるという。

このほかにも、世界約200カ国で使えるプリペイドSIMの提供(9月予定)、訪日外国人観光客に向けたプリペイドサービスの開始(10月予定)といった新サービスも計画する。さらに、これまで提供してきた一般消費者向けのサービスに加えて、法人向けのサービスも7月にスタートする。社内のパケットを無駄なくシェアできたり、端末の利用状況を管理ページから簡単に確認できたりする機能を提供する。7月の開始時にはauプランだけだが、12月をメドにdocomoプランも提供し、法人向けでもマルチキャリアサービスを提供する。

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【報道発表資料】
携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」NTTドコモ回線を利用したプランの提供開始について
携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」法人向けサービスの提供開始について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。