ベトナム、2014年のスマートフォン出荷は1,160万台:激減するサムスンのシェア
Samsung sales fall in Vietnam although number of users increase
2015.06.15
Updated by Hitoshi Sato on June 15, 2015, 18:42 pm JST
Samsung sales fall in Vietnam although number of users increase
2015.06.15
Updated by Hitoshi Sato on June 15, 2015, 18:42 pm JST
調査会社IDCはベトナムで2014年に出荷されたスマートフォンは1,160万台で、昨年から57%増加したことを2015年3月に発表した。2014年に出荷された携帯電話の総数は前年より13%増の2,870万台である。携帯電話の出荷台数のうちスマートフォンが占める割合は41%であり、現在ではまだフィーチャーフォンの方が多いものの、年々スマートフォンの比率が大きくなっている。
IDCが公表している数値はメーカーから出荷されたオフィシャル(公式)な数字であり、IDCはベトナムでは非公式なルートで流入してくるスマートフォンが非常に多いとも伝えている。確かにベトナムにはあらゆるメーカーのスマートフォンが中古などで大量に流通している。
ベトナムでのスマートフォンのメーカー別出荷の比率を見ると、2012年には54%のシェアを誇っていたサムスンだが、2013年には38%、2014年には26%と半分以下にまでシェアが激減している。一方でマイクロソフト(ノキア含む)やOPPO(中国)、ASUS(台湾)などのシェアが大きく増加している。地場のViettelは微減している。
ノキアはフィーチャーフォンの時代からベトナムでは人気がある端末で、マイクロソフトになった現在でも人気がある。2014年8月にマイクロソフトは買収したノキアの生産拠点のうちハンガリー、中国、メキシコにある生産設備をベトナム北部のバクニン省に移転することが報じられた。世界的にシェアを減らしているマイクロソフト(ノキア)であるが、その存在感はベトナムではまだ大きい。
2014年9月時点、ベトナムでのスマートフォン普及率は36%だった。他の東南アジア諸国と比較してみるとマレーシア80%、タイ49%、インドネシア23%、フィリピン15%だった。シンガポールは現在ではほぼ全ての端末がスマートフォンである。ベトナムだけでなく東南アジアではスマートフォンが急速に拡大してきている。
▼ベトナム市場における携帯電話出荷のうち、スマートフォン(黄色)とフィーチャーフォン(青)の割合
▼ベトナムにおけるスマートフォンのメーカー別シェア
(出典:IDC)
▼ホーチミン市
【参照情報】
・Vietnam Smartphones Increase by 57% in 2014, Heats Up by Budget Models, Says IDC
・Microsoft shifts Nokia manufacturing to Vietnam
・Vietnam’s Unofficial Smartphone Market on the Rise, Fueled by Demand for Status: IDC
・36 percent of Vietnam’s population owns a smartphone
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。