個人の移動手段を大きく変えるかも? リ・デザインが進む新発想の乗り物あれこれ
We do not need fancy cars, all we need is creative minds
2015.06.26
Updated by Yuko Nonoshita on June 26, 2015, 22:06 pm JST
We do not need fancy cars, all we need is creative minds
2015.06.26
Updated by Yuko Nonoshita on June 26, 2015, 22:06 pm JST
自転車やスケートボードなど、個人が手軽に移動するための乗り物をリ・デザインして売り出す動きがここのところ加速している。背景には環境への配慮や公共交通手段の利用のしにくさなどがあると見られるが、単純に運転するのが楽しい、見た目のデザインがいい、といった乗り物もたくさんある。ここではそうした乗り物のいくつかを紹介しよう。
「IO-HAWK」
両側に写真の付いたステップに乗るだけで自在に移動できるIO-HAWKは、最高時速10キロのスピードで走ることができ、前後左右はもちろん、細かなターンもできる機動性を備えている。15度の傾斜を上り、リチウムイオン電池で12〜20kmの距離を走り続けられる。重さは約10kgとやや重いものの、移動に持ち歩くには十分で、価格は1,799.99ドルで販売されている。
「e-Scooter」
EcoRoco社が発売する省エネタイプの電動キックスクーターで、坂道はバッテリーを使って、平地や下り坂は足で蹴って、というように状況に合わせて動力を使い分けられるのが特徴。最高時速20マイル(約時速32km)のスピードで走ることができ、電気消費量も抑えられていて、1回の充電で20マイルを走り続けられ、これは1ドルで500マイル(約800km)走行できる計算になるという。2つに折り畳んで持ち運びやすく、標準スペックのM3は999ドル、フルサスペンションを備えたM5が1250ドルで発売されている。
「Briefcase E-Scooter」
同じく電動キックスクーターを開発しているCoolpedsが発売しているのは、スーツケース付きでステップの部分に小さな羽根が付いたようなユニークなデザインのタイプ。最高時速20kmで、一度の充電で最長10kmまで走れることができ、USBから充電ができる。ただし、本体は7.9kgとかなり重く、スクーターに乗せて移動するにしてもややヘビーかもしれない。標準タイプは599ドル、ソーラーパネル付きは699ドルで今年後半に発売される予定だ。
「The Sidewinding Circular Skates」
オンラインショップHammacher Schlemmerで99.95ドルで発売されている新発想のローラースケートは、ペダルの付いたリングの中にそれぞれ足を入れて、両足を前後に動かすことで横方向に移動できるという革命的なデザインが特徴。スピンしたり、ターンしたり、2つの輪を伸縮性のある専用のロッドでつないでスケートボードのような乗り方もでき、バッテリーも不要で騒音もほとんどない。重さもたったの5ポンド(約2.2kg)で、体重は200ポンド(約90kg)まで、8歳以上から乗れる。
「THE MARTIN JETPACK」
個人にとって究極の移動手段となりそうなのがTHE MARTIN JETPACK社が開発する空を飛ぶジェットパックだ。1998年に創業した同社が開発した製品は2010年にタイム誌が選ぶTop500の発明品にも選ばれており、いよいよ実用化が確実なものになった。垂直に浮き上がった後は水平方向に移動でき、最高速度74kmで、1kmの高度を最長30分間移動できるという。もちろん安全性は十分配慮されていて、120kgの荷物を運ぶことが可能だとしている。発売は来年を予定しており、価格は150万ドルですでに発売予約も受け付けている。
国内では6月に道交法が改正されて自動車の運転規制が厳しくなる一方、7月からは私有地や特区内などでの走行のみに規制されていたセグウェイやウィングレットなどの立ち乗り電動二輪車が、条件付きで全国の公道で走れるようになるなど、移動用車両を取り巻く状況も変わっている。さすがにジェットパックは許可されないだろうが、エコでコンパクトな新しい乗り物が、街中を走る姿を見る機会はこれから増えるかもしれない。
【参照情報】
・IO-HAWK
・EcoRoco
・Coolpeds
・Hammacher Schlemmer
・THE MARTIN JETPACK
・道路交通法の改正のポイント
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登録はこちらフリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」「DIME」「CNET Japan」「WIRED Japan」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。