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足あと

糖尿病患者の転倒予防ストッキング

Stockings can save diabetic patients

2015.08.17

Updated by Kenji Nobukuni on August 17, 2015, 10:32 am JST

圧力センサーを配した靴下を履かせることで、糖尿病患者が転倒して怪我をするのを防ごうという取り組みがドイツのフラウンホーファー研究機構で行われている。

糖尿病患者で神経障害や血行障害のため痛みを感じる触覚が衰えている場合、足に掛ける力の調節がうまくできず、転んでしまうことがあるという。それまでは普通にできていた、「足の裏やつま先などにかかる圧力を検出し、体重を移動させながら適切なタイミングで足を地面から離し、反対の足にかかる体重を支えながら前に出して、ふたたび接地する」という歩行の動作が、足裏からの情報が弱まって上手にできなくなり、転倒する危険があるのだ。

フラウンホーファー研究機構ケイ酸塩研究所(ISC:Institute of Silicate Research)の研究者チームは、靴下に40個の薄膜センサーを配置し、人の触覚の代わりに足の裏にかかる圧力を計って、コントローラー経由でスマートフォンなど外部の機器に送り、転倒の兆候を察知して警告を出すシステムを開発している。

転倒を恐れて歩くことを避けてしまうことは患者にとっては単に不自由なだけでなく、脚やその他の部位にも悪い影響がある。転倒予防ストッキングは今のところプロトタイプの段階のようだが、効果が実証されて実用化されれば、心強いツールになるのではないだろうか。

【参照情報】
フラウンホーファーのプレスリリース
New pressure-monitoring device could prevent neuropathy-related injuries
Pressure-monitoring stockings to prevent wounds in diabetics

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

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