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グーグル、中国市場再参入の可能性浮上 - 専用の「Google Play Store」投入か(The Informationなど報道)

2015.09.05

Updated by WirelessWire News編集部 on September 5, 2015, 13:03 pm UTC

中国からのサイバー攻撃(ハッキング)や同政府によるネット検閲に抗議する形で、2010年に中国市場から事実上撤退していたグーグル(Google)が、現在同市場への再参入に向けた準備を進めていると、The Informationなど複数の媒体が米国時間4日に報じている。

各媒体の報道によると、グーグルでは再参入の手始めとして、中国市場専用のAndroidアプリ「Google Play Store」を投入するほか、端末メーカー各社に対して同アプリのプリインストール出荷を働きかけていくという。またこの話題に言及したThe Vergeでは、グーグルが次期Nexus端末開発で協力を進めているとされるファーウェイ(Huawei)が最初の提携先となり、今年秋にリリース見込みの次期Nexusにこのアプリをインストールして出荷する可能性があると示唆している。

中国向け「Google Play Store」で配布されるアプリについて、グーグルは中国政府の規制を受け入れる方向で政府幹部との話し合いを進めているとWSJは記している。そのため、規制当局の検閲で問題になる可能性が高い電子書籍や映画といったコンテンツ類は取り扱い品目から除外されることになりそうだとThe Vergeは指摘している。

中国のスマートフォン市場ではここ数年、シャオミ(小米、Xiaomi)をはじめとするAOSP(Android Open Source Project)勢の台頭が著しく、その影響を受けてグーグルと比較的関係の近しいサムスン(Samsung)の市場シェアが大幅に低下していることも伝えられていた。またAOSP勢各社の大半は自前のアプリストアを提供しており、グーグルではバイドゥ(百度、Baidu)などの中国勢がシェアを独占する検索や地図サービスなどに加え、スマートフォン・アプリの分野でもユーザーとの接点が失われた状態が続いている。中国版「Google Play Store」の投入はこうした状況の打開に向けた第一歩とみられる。

2010年の中国市場からの実質的撤退は、グーグル共同創業者のサーゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏の強い意向を受けたもので、中国市場再参入は同社にとって大きな方向転換となる。

ただ、この5年の間に中国が世界最大のスマートフォン市場に成長したことや、約6億7000万人まで増加した中国のネット人口の大多数をスマートフォン・ユーザーが占めるようになったことに加え、中国のGDPが2010年の約6兆ドル($6 trillion)から2014年には10.3兆ドル($10.3 trillion)まで増加(世界銀行調べ)したことなどもあり、グーグルとしても中国市場をこれ以上無視することは難しいとの判断が働いた可能性がある。

またグーグル側では、昨年からサンダル・ピチャイ(Sundar Pichai)氏が日常業務を統括する責任者の立場に付いており、今年8月には新たな持ち株会社の設立などを含む大規模な組織再編が発表され、これに伴ってピチャイ氏が検索(広告)やAndroid関連など同社の主要な事業を含む新会社のCEOに就任することも明らかにされていた。こうしたグーグル社内での力のバランスの変化が、今回報じられた方針転換を容易にした可能性も考えられる。

なお、中国のスマートフォン市場は昨年、出荷台数で全世界の約3分の1(32.3%)を占め、今年も推定4億2500万台に達するとの予測が先ごろIDCから発表されていた。ただ、市場全体の伸びしろの減少に加え、経済成長の減速や株式市場のバブル崩壊などもあり、今年の増加率は前年比1.2%程度に留まるとの見通しも出されていた。

201509051300
[中国ネットユーザー数と浸透率の推移 - 今年7月発表のCINICデータ/(C) SCMP]

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[中国ネットユーザーの端末別利用比率 - 今年7月発表のCINICデータ/ (C) SCMP ]

IDC: Smartphone Vendor Market Share 2015, 2014, 2013, and 2012 Chart
[Smartphone Vendor Market Share, 2015 Q2 - IDC]

【参照情報】
Google Nears Re-entry to Mainland China - The Information
Google Pursuing a Return to China - WSJ
Google may return to China with a censored app store - The Verge
There are 668 million internet users in China, and almost all of them are using smartphones - South China Morning Post (SCMP)

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