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ドイツ、2015年のスマホ販売台数予測は2,556万台だが、今後は?

2015.09.24

Updated by Hitoshi Sato on September 24, 2015, 07:06 am JST

ドイツのIT業界連盟Bitkomは2015年9月1日、2015年のスマートフォン販売台数の予測を発表した。それによると、ドイツでの2015年のスマートフォン販売台数は2,556万台、売上は2014年を7%上回る91億ユーロに達する。そして15歳以上のドイツ人のスマートフォン保有率は2015年の年末までに65%となる見通しを明らかにした。それに伴って、スマートフォン向けアプリの売上は10億ユーロを初めて超える見込みを示した。

スマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブル端末は、2015年にドイツで販売される台数は170万、売上2億4,000万ユーロに達するものと予想される。 うち、フィットネストラッカーは販売数約107万台、予想売上7,080万ユーロ、スマートウォッチは販売数64.5万台で、予想売上は前年比566%増の1億7,000万ユーロの見通しだ。

一方で、スマートフォン以外の「その他の電子機器分野」では、娯楽電子機器などの販売が振るわない見込みを示した。特にフラット型TV受信機は2015年に大きなスポーツイベントがないこともあり、売上は前年を6%以上も下回る42億4,000万ユーロとの見通しを明らかにした。

ドイツでは現在、中東から多くの難民が流入している。彼らの動向はドイツ経済とドイツの市民の消費行動に影響を与える可能性がある。ドイツの市民は中東からの難民に仕事を奪われることがないとは言えない。そのような危機感をドイツ人が持つようになるとスマートフォンだけでなく、消費行動に大きな影響を与えかねない。2015年にドイツで販売されるであろうスマートフォンの販売台数は2,556万台と予測されたが、はたしてこれからどうなるであろうか。

【参照情報】
Smartphones, tablets and wearables bring consumer electronics into the swing
Marktentwicklung und Trends der Unterhaltungselektronik

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。