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[2015年第44週]ブラジルで「eSIM」、民放5社が見逃し番組配信、スマホの不満は依然として電池

2015.11.02

Updated by Naohisa Iwamoto on November 2, 2015, 13:57 pm JST

IoT関連のニュースでは、SIMを挿し替えずに契約事業者を変えられる「eSIM」のブラジルでの提供、パーソナルモビリティの実験といったトピックがあった。コンシューマ向けの話題では、スマートフォンでも見逃し番組を見られる民放5社の新サービス、ニフティによるMVNO初となる「かけ放題」サービスの提供などが注目。調査では、スマートフォンへの不満やiPhone 6sの主要駅での速度に関する結果が報告されている。

建設機器のeSIMソリューションをブラジルで、パーソナルモビリティ活用の実験も

まずIoT関連のトピックから。NTTドコモは、ブラジル最大手の携帯電話事業者Telefonica Brasil(以下、Vivo)との間で、「eSIM」と「eSIMソリューション」を提供することに合意したと発表した。ドコモとVivoがeSIMの利用で合意したことにより、日本から輸出する機器にeSIMを組み込んでおくことで、ブラジルではSIMを挿し替えることなくVivoの回線を利用できるようになる。今回のVivoとの間でのソリューションは、ヤンマーが利用する計画だ(関連記事:ドコモがブラジルで「eSIM」を提供、ヤンマーが稼働状況管理などIoTで利用)。

NTT、NTTドコモとパーソナルモビリティの「WHILL」を提供するWHILLは、「モビリティ型パーソナルエージェント」の実現に向けた共同実験を開始する。パーソナルエージェントによる働きかけで、利用者に行動や気づきを促す取り組みを促進する狙い。共同実験では、初めて乗車する利用者に対し、エージェントとの対話による操作トレーニングを実施し、モビリティ型パーソナルエージェントの受容性・有効性を検証する実証実験を行う(関連記事:モビリティに利用者を支援するエージェント機能、NTTなどが実証実験)。

無料の見逃し番組配信、MVNOも「かけ放題」

サービス関連のニュースを紹介する。日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビジョンの在京民放5社は、リアルタイムで見逃した番組などを一定期間まで視聴できる“キャッチアップサービス”を提供する。10月26日に提供を開始した民放公式テレビポータル「TVer」(ティーバー)のサービスとして、キャッチアップサービスを提供する。各局、毎週約10〜15のドラマやバラエティの番組を、放送終了後から次回放送までの1週間程度、無料で配信する(関連記事:スマホで見逃し番組を無料視聴、在京民放5社が新サービス「TVer」を開始)。

ニフティは、月額定額制で通話が「かけ放題」になるサービス「NifMoでんわ」の提供を開始した。月額1300円からの提供で、同社によれば国内のMVNOとしては初めての定額制かけ放題のサービスだという。

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NifMoでんわは、スマートフォンの専用アプリを使ったIP電話サービス。プランは2種類用意する。1つが「国内かけ放題プラン」で月額1300円、もう1つが「国内+海外かけ放題プラン」で月額2700円(関連記事:ニフティ、月額1300円で国内通話がかけ放題の「NifMoでんわ」を提供開始)。

KDDIは、「auスマートパス」の新機能として「地震情報・気象警報」の通知機能の提供を開始した。あらかじめauスマートパスアプリ上でユーザーが設定した地点で、震度4以上の地震が観測された場合、または大雨や暴風警報などの「気象警報」が気象庁から発令された場合に、関連情報をスマートフォンの待ち受け画面にプッシュ通知するもの。自分の現在地以外の家族や友人のいる場所の情報を、タイムリーに知ることができる(報道発表資料:「auスマートパス」で「地震情報・気象警報」通知機能の提供を開始)。

ターゲットはインバウンド(訪日外国人旅行者)に拡大。JTBとソフトバンクは、インバウンドビジネスにおける戦略的事業提携に関する契約を締結した。提携により、ソフトバンクは旅行業を行う新会社を設立し、JTBと共同して訪日外国人旅行者向けのビジネスを推進する。提携の第一弾としてアリババグループ(阿里巴巴集団)の旅行販売プラットフォーム「Alitrip(阿里旅行)」に、専用の旅行サイト「日本汐留旅行旗艦店」を11月11日に開設。ホテル予約、国内パッケージ商品予約、チケット販売、Wi-Fiレンタルサービス、クーポンの提供、観光情報提供など訪日観光客向けの旅行コンテンツ提供を始める(報道発表資料:ジェイティービーとソフトバンク インバウンドビジネスにおいて戦略的提携契約を締結)。

主要駅の下りはソフトバンクが最速、スマホの不満は相変わらずバッテリー

このほか、この週のトピックを紹介する。スマートフォンの不満は、依然としてバッテリーが一番。MMD研究所は、「スマートフォンの満足度と不満度に関する調査」(15〜59歳のスマートフォンを所有する男女2203人が対象)を実施した。「不満」と「やや不満」を合算し不満度の高い項目は、「バッテリーの持ち」(29.1%)、「防水機能」(22.5%)、「頑丈さ」(11.0%)だった。こうした不満足点を反映して、今後のスマートフォンに求める点としては、「とにかく長持ちするバッテリー」(73.4%)がトップで、「持ちやすいサイズ感」(39.9%)、「防水・堅牢さを備えたパワフル端末」(38.1%)が続いた。(報道発表資料:スマートフォン端末の不満度上位は「バッテリー」「防水機能」「頑丈さ」)。

日経BPコンサルティングは、全国の乗降者数上位300駅を対象にした「全国主要300駅 LTE/4G通信速度調査」を実施し、結果を公表した。利用した端末は「iPhone 6s」。調査の結果、iPhone 6sのデータ通信のダウンロード速度はソフトバンクが44.96Mbpsで最速。KDDI(au)が42.35Mbpsで2位だった。一方、アップロード速度はNTTドコモが1位で13.09Mbps、次いでソフトバンクが12.91Mbpsだった(報道発表資料:iPhone 6sダウンロード速度No.1はソフトバンク)。

ソニーマーケティングは、Xperiaシリーズの端末と、製品保証サービス、セキュリティ対策サービスをセットにしたソニーストアオリジナルモデル「あんしんEdition」を発売した。対象となるのは、タブレットの「Xperia Z4 Tablet」「Xperia Z3 Tablet Compact」とスマートフォンの「Xperia J1 Compact」の3機種。あんしん保証(月額500円)とウイルスバスター(月額300円)の2サービスを24カ月継続利用することを条件に、購入時の販売価格から1万円のセット値引きを受けられる(関連記事:Xperiaに製品保証とセキュリティ対策をセット「あんしんEdition」、ソニーストアで販売)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。