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スマホ宛ての迷惑/詐欺電話が1年前より3割以上が「増加」--マカフィーとMMD研調べ

2015.11.05

Updated by Naohisa Iwamoto on November 5, 2015, 20:01 pm JST

インテル セキュリティ(日本での事業会社はマカフィー)とMMD研究所は、「スマートフォンの迷惑電話・詐欺電話に関する調査」を実施し、結果を公表した。迷惑電話や詐欺電話は、スマートフォンの場合で約2割の回答者が着信の経験が「ある」と回答、さらに1年前に比べて「増えた」と感じていることがわかった。

調査は2015年10月23日~25日に、20歳以上のスマートフォンを所有する男女2211人を対象に実施した。まず通話に利用する電話機として、スマートフォンと固定電話の利用割合を尋ねたところ、「スマートフォンのみ」が17.4%、「ほぼスマートフォン」が43.2%とスマートフォンをメインで通話する割合は60.6%に上った。固定電話を持っていない層は、全年齢で21.3%。年代別では20代の38.4%、30代の35.8%が固定電話を持っていないとの回答で、通話の道具としての固定電話の位置づけが若い世代ほど低いことが裏付けられた。

迷惑電話や詐欺電話を受け取ったことがあるかを尋ねたところ、スマートフォンでは19.4%が「ある」と回答し、スマートフォンでも2割近くが経験している結果になった。また、スマートフォンと固定電話の双方を所有している人に、「固定電話で迷惑電話や詐欺電話の受け取りがあるか」を尋ねたところ38.8%が「ある」と回答し、まだ迷惑電話、詐欺電話はまだ固定電話の方により多くかかっていることがわかった。

ただし、迷惑電話や詐欺電話の着信が「1年前に比べて増えた」と回答している率は、スマートフォンが「増えた」「やや増えた」の合計で33.4%と回答者の3分の1にも上った。一方で、固定電話では21.9%とスマートフォンと比べると「1年前に比べて増えた」とする回答者の比率が低かった。傾向としては、迷惑電話や詐欺電話のターゲットがスマートフォンにシフトしつつあることが考えられる。

こうした中、スマートフォンで「迷惑電話・詐欺電話」の対策を講じているかを複数回答形式で尋ねたところ、やや心もとない結果が現れた。「通信キャリアの迷惑電話対策サービス」が27.3%、「無料のスマートフォンアプリ」は6.4%、「有料のスマートフォンアプリ」が3.3%と対策を講じている層が少ないのに対して、「対策をとっていない」と回答した人は66.3%にも上った。

対策への意識が高くない現状ではありながら、迷惑電話や詐欺電話をスマートフォンで受けたことがある人の中では意識の高まりも見える。スマートフォンで「迷惑電話・詐欺電話」の対策ができる有料サービスの利用意向を確認したところ、「利用したい」は29.8%だった。しかし、スマートフォンで迷惑電話や詐欺電話を受け取ったことがある人に限定すると利用意向は51.4%となり、怪しい電話を受けた体験が守りを堅くすることにつながるようだ。

【報道発表資料】
「迷惑電話・詐欺電話」の着信、昨年と比べて「増えた」がスマートフォンで33.4%、固定電話で21.9%

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。