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低コストで迅速に山間部の水位監視を開始できるセンサーシステム、DENGYOが開発

2015.11.19

Updated by Naohisa Iwamoto on November 19, 2015, 19:32 pm JST

日本電業工作(以下、DENGYO)は2015年11月19日、携帯電話のエリア外の山間部などで水位監視を可能にする「Mu センサ 自然環境監視システム」(以下、Mu センサ)を開発したと発表した。従来システムではカバーできなかったエリアでも水位のワイヤレスセンシングが可能になり、自然災害発生時の対策に効果が期待できる。

集中豪雨などの自然災害が頻発するようになり、自然環境監視のニーズが高まる一方で、河川上流の管理のためのセンサー設置には困難がつきまとうことも多い。河川上流の観測点では電源や通信手段が確保できなかったり、可能であっても高い初期コストが必要だったりする。DENGYOではそうした背景から、低コストで携帯電話のエリア外のセンシングを可能にするシステムが求められ、Mu センサの開発に至ったと説明する。

Mu センサは、アンテナ、水位計、無線ルーター、自立電源などの構成機器をパッケージしたシステム。クラウドなどのネットワークと直接つなぐノードは3G携帯電話の回線を利用する。そのノードの無線ルーターから920MHz帯の特定小電力無線を接続することで、ノードの周囲見通し5kmに最大30台の観測ポイントを設置できる。Mu センサでは、920MHz帯特定小電力無線をマルチホップで最大3機の中継器を使って中継することが可能なため、3G携帯電話のサービスエリアから離れた河川上流などの水位測定が可能になる。

水位を測定する水位計も、従来使われてきた超音波式に代えて、設置工事が簡便で安価な「投げ込み型水位センサー(圧力式)」を採用することで、コストと設置工事の短期間化を実現した。低消費電力の設計により、太陽光パネルによる発電で自立運用が可能で、これまで測定が不可能だった地点のセンシングがリアルタイムで行えるようになる。

DENGYOでは、太陽光パネルと長距離無線を利用したワンパッケージ化により、1日で設置が可能で、従来システムに比べてコストを10分の1以下に抑えられるとしている。

【報道発表資料】
携帯エリア外山間部の水位監視が従来比1/10以下の費用、1日設置で運用開始できる長距離無線 自然環境監視センサシステムを開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。