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敢えて地面を移動する

Easy rider

2015.11.24

Updated by Ryo Shimizu on 11月 24, 2015, 06:43 am JST

先日、福岡の知人に会いに行ってきました。

せっかくなので、敢えて自動車で行くことにしました。

その計画を話すと、いろいろな人に「なにをバカな」と言われたのですが、これはもう性分なので、致し方のないことです。

なぜ地面を移動するのか。しかも自分で運転をして。

新幹線や飛行機では、あっという間に通り過ぎてしまう景色、その一つ一つに意味があり、人々の生活の息吹があります。

子供の頃、世界一周をしてみたい、と思ったことがありました。
しかし、世界一周とはどういう意味なのか、私自身にもわかりませんでした。

たとえば、飛行機で地球をぐるっと廻ることを世界一周と呼ぶのだとすれば、私はもう何度も世界一周していることになります。

海外出張をまとめて行うことが多いので、個別に行くよりもむしろ世界一周チケットを取ったほうが安くて早かったりするからです。

たとえば、12月8日にニューヨークへ行って、パリを経由して12月31日に成田に帰ってくるチケットは、エールフランスなら20万円程度で買えます。

しかし、それは世界一周したことになるのでしょうか。

飛行機や列車でしか移動しない旅の場合、それは点と点でしかありません。

私が初めてアメリカを理解した、と思ったのは、ロサンゼルスからラスベガスへクルマで向かう道中でした。

アメリカには、実際のところ、ほとんどなにもないのです。
ただただ荒涼とした砂漠だけが広がり、民家すらありません。

日本では決して見られないようなえんえんと続く平原が果てしなく続いています。

この時、自分はなんと狭い世界で生きていたのだと痛感しました。

つまり、点と点だけで地球を回っているのでは、世界一周したことにはならないのではないか、というのが私の考えです。

これは日本一周にも通じるものがあります。

私は以前、札幌で開催されるイベントに参加するためにやはり自家用車で札幌まで向かったことがあります。

丸2日かかりましたが、それまで私は上空を通り過ぎるだけだった青森県や長万部といった場所を実際にクルマで通ってみることで、初めて日本とはどういうものか、ほんの少しですが解った気がしたのです。

そして同時に、「まだまだ見足りない」と思うようにもなりました。
たとえば太平洋側と日本海側ではぜんぜん違うはずです。

新幹線や飛行機というのは、旅行者が使う道具です。
しかし自動車というのは、その土地の人が当たり前に使っている道具です。

その土地のスーパーマーケット、その土地のお店、そういったところに地元の人に混じって訪問できるところが面白いところです。

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東京を出発した私達はまず名古屋に向かいました。

名古屋で昼食を食べるためです。

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もちろん、お目当ては名物、ひつまぶしです。
ひつまぶしの元祖、あつた蓬莱軒でひつまぶしに舌鼓を打ちます。

それが終わったら、第一の目的地、大阪に向かいます。
この日は私はとある企業で社内研修会の講師をする予定になっていました。

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無事、研修を終え、懇親会を終えたら、今度は私が大好きな大阪は新世界に向かいます。

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新世界は、串かつ屋さんが立ち並ぶとても楽しいところです。
ここで私達は閉店ギリギリに滑り込んで一通りのメニューを満喫しました。

これで一日目は終了です。

ひつまぶしを食べて、研修して、さらに大阪名物の串かつも頂きました。

二日目、さらに南へ向かいます。
今度は、岡山県のひるぜん焼きそばを食べようということになり、蒜山まで向かいました。

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ここが地元でも有名な「やまな食堂」です。

まわりにも文字通り何もありません。

クルマでなければどうやって来るのだろう、という場所にあります。

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ひるぜん焼きそばとは、この地方独特の焼きそばで、ソースではなく味噌を使っているのが特徴です。なんとも形容しがたいのですが、独特の味で病みつきになります。

以前、一度岡山県を訪れた際に食べたことがあって、どうしても今回また食べたくてやってきてしまいました。

さて、今日中に福岡に行かなければなりませんが、ひるぜん焼きそばの名店を求めた結果、かなり日本海側まで来てしまいました。

ここまで来ると出雲大社は目と鼻の先です。

「出雲大社に行ってみようか」

こんなふうに行き先をカジュアルに変えることができるのもまた、自動車の旅ならではです。

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この頃になると、「あと120km?わりと近いね」という感覚に変わっています。
一息で東京を何周もできるくらいの距離を移動しているからです。

出雲大社にお参りした後は、いよいよ一路福岡を目指します。

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到着したのは9時頃だったのであたりはすっかり暗くなってしまっています。

どうしても今日中に福岡に来たかった理由は、あるものを食べるためです。

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呼子のイカです。

福岡で食べるイカはなんといっても新鮮で美味しいのです。
独特の甘味があり、実に癖になります。

博多ラーメンを食べて、二日目は終了です。

明けて三日目、まずは長浜の鮮魚市場で腹ごしらえします。

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私はいくら丼、同伴した者はごま鯖定食をオーダーします。
やはり新鮮な魚介は美味しい。

そのまま私達は広島を目指します。
目指すは厳島神社です。

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クルマを近隣の駐車場に停め、フェリーで宮島に向かいます。

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しばらくすると美しい鳥居が見えてきました。
これぞ旅の醍醐味です。

ぐるっと宮島を一回りしたら、今度は原爆ドームを見学します。

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それからお待ちかね、広島といえば名物のお好み焼きです。

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お好み焼き屋さんが多数入っている「お好み村」で人気店に入ります。

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広島のお好み焼きといえば、牡蠣が入っていることで有名ですね。
実においしく頂きました。

さあお好み焼きを堪能した後も旅は続きます。
今度は夜のうちに四国へ向かいます。

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松山の道後温泉です。
道後温泉は日帰りもできるので、ここで一風呂浴びてから車中泊です。贅沢ですよね。

近所の飲み屋で一杯引っ掛けてから車中泊。念のため、エンジンは切っておきますが意外と密閉されているので温かく眠ることが出来ました。

4日目の朝、たっぷり寝た後はとりあえず朝食をとるため、香川県に向かいます。

香川県と言えば・・・言うまでもありませんね、うどんです。

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讃岐うどんブームの火付け役になった釜玉うどんを早朝から出すお店に並んで朝食です。釜玉うどんって本当に美味しいですよね。

特に出汁醤油の味が好きです。これが卵に絡むと、本当にたまらなく美味しいのです。

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香川県をあとにした私達は徳島県の鳴門海峡に到着しました。
あの有名な渦ができる海峡です。

この日はあいにく渦が見えにくい時間帯だったので先を急ぎます。

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昼ごはんに鳴門海峡を渡ったところにある明石市で、名物の明石焼きを食べてみます。

そもそも明石焼きって、そんなに美味しいと思ったことがないんですよ。本来は。

でも、さすが本場はまるで違います。

まず、ものすごい行列。
ですがテイクアウトだと早く出してもらえるようで、我々はテイクアウトして近くの公園で食べることに。

これが本当に美味しい。
値段も安いのですが量も凄くあります。
そして本場では「明石焼き」ではなく「卵焼き」っていうんですね。
その名の通り、卵の味が口の中いっぱいに広がります。アツアツの卵焼きを冷えたダシ汁がいい感じに冷ましてくれて口の中では調度良い温度になります。

このシンプルな美味しさを他の言葉で表現するのは難しいですが、とにかく来てよかった、そんな感じでした。

やや満腹になって休んでいると、うっかりうとうとしてしまいました。
この日は関西大学のゼミにオブザーバーとして参加することになっていたので、あわててクルマを走らせます。

もうかなり近くまで来てるとは言え大阪は大都会。道は普通に混みます。

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ようやく辿り着いた関西大学。
ゼミの発表を一通り聞きます。

そして懇親も兼ねてみんなで食事をして再び大阪に一泊。

明けて五日目、今日は余裕を持って東京に帰ります。

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途中、静岡に寄って静岡おでんを食べてみます。

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静岡といえば富士宮焼きそばを始めとして様々なB級グルメがひしめく聖地。
噂のつけナポリタンを食べに喫茶アドニスに寄ったのですが・・・

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どうもあまりに大人気の様子。
注文しようとすると「すみません、今日はもう終わっちゃいました」とのことなので、ハンバーグ定食を注文しました。

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まあ、旅ですからこんなこともありますよね。

こうして私達は無事東京に戻りました。

5日間、ずっと移動していたわけですが、普通に過ごす5日とは全く違う刺激に満ちた日々でした。

こういうのは、文字通り冒険なわけです。

会社を作る、組織を作る、事業を作る、というのは全て冒険です。
組織が大きくなったり、会社が軌道に乗ってきたりすると、自分でもついそうした冒険心を忘れがちになってしまいます。

しかし経営とは常に冒険の連続であり、冒険を恐れたり、もしくは侮ったりしていては覚束ないものです。

敢えて自動車で長距離を旅するのは、自らすすんで冒険の中に身を置くことで、自分のインスピレーションを鍛えるために私にとって必要な儀式なのです。

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清水 亮(しみず・りょう)

ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長CEO。1976年新潟県長岡市うまれ。6歳の頃からプログラミングを始め、16歳で3DCGライブラリを開発、以後、リアルタイム3DCG技術者としてのキャリアを歩むが、21歳より米MicrosoftにてDirectXの仕事に携わった後、99年、ドワンゴで携帯電話事業を立上げる。'03年より独立し、現職。'05年独立行政法人IPAより天才プログラマーとして認定される。

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