パリ

海外プライバシー・パーソナルデータ関連情報(2015/12/02号)

2015.12.02

Updated by WirelessWire News編集部 on 12月 2, 2015, 11:48 am JST

テロ事件の発生を受け、テロ対策とプライバシーとのバランスについて議論が沸き起こっている。各ニュースの詳細については、原文のリンクを参照されたい。

法律・規制

EU内では、テロ発生以前から国の監視を強化する英国とフランスに対して、プライバシーを重視するドイツなど考え方の違いはあった。

テロ対策とプライバシー保護の間で揺れるEU、セーフハーバーの更新にも影響か
‘We were not ready for this’
EUのヨウロヴァ司法委員は、パリでのテロ発生時にセーフハーバーを巡る米国との交渉のためにワシントンDCに滞在していた。市民やEU加盟国政府からテロ対策への要望が高まるなか、EUのプライバシー政策への影響について同委員は「プライバシーの権利とセキュリティの権利は最も難しいジレンマだ。われわれはちょうどよいバランスを目指して努力している。特にこのような出来事の後は、もっとも影響を受けやすい」と語った。

パリの犯人がデータを暗号化していたかどうかは明らかになっていないが、米国政府は企業にバックドアを求め続けている。

IT企業に顧客データへのバックドアを求める米国政府、パリのテロを受け圧力を強める可能性
Paris Attacks Fuel Debate Over Spying
米国でも政府によるテロ対策とプライバシー保護との間で揺れており、近年はプライバシー保護側に揺れつつあったが、パリでのテロ事件により再び安全保障重視へと戻るかもしれない。米国政府はIT企業に顧客データへの裏口を求めて拒絶されたが、NSAによる情報収集は合法的に続けられている。テロ事件を受け、政府はふたたび要望を強める可能性が高く、企業側との議論が激しくなると見られる。

調査・分析

米国の国際政治専門誌に掲載された、欧州と米国の間で起きているプライバシーに端を発した問題と、それによる影響を分析したレポート。

欧州と米国の異なるプライバシー基準が、インターネットの分断を招く恐れ
How To Disappear Completely
インターネットによって情報公開の民主化が進んだ結果、欧州と米国の間で方やプライバシー権を重視し、もう一方は言論の自由を尊重する方針の違いによって、両者にデジタルプライバシーにおける大きな隔たりが生まれた。しかし、第三国の目からすれば、欧州の忘れられる権利も、米国の言論の自由も極端なものだ。現状では世界的なプライバシー基準への合意が存在せず、そのためにネット上の検閲は私的企業の不透明な基準にゆだねられており、インターネットが分断されたものになる恐れがある。

現在は「農業革命」「産業革命」に続く「情報革命」にあるとの論評はよく聞かれるものだが、そのことの意味はITによる「生産の効率化」よりも「市場の効率化」にあるとの論考。

情報革命の意義は市場の効率化にある、100年後姿は現代の我々が驚くほどだろう
Beyond the Fourth Industrial Revolution
現在は情報革命の時代と言われているが、それが概念上のものではなく現実になっている。人類がほぼ全員すべてのことに関し、いつでもどこでも完全な経済情報にアクセスできるようになることで、経済の効率化が極限にまで進むだろう。それは経済的観点からみて革命的で、今から100年後の結果を我々が見たら、初めて蒸気エンジンを知った19世紀の人たちが携帯電話を見たのと同じくらい驚くだろう。

スマホやセンサデヴァイスによるヘルスケアに注目が集まるが、本丸であるカルテなどの医療データの活用にはこれまで高い障壁があった。

医療データの8割は構造化されていない、人工知能技術によって医療にデータ革命が起きる
Health care’s future is data driven
データによる医療の進歩が期待を持って語られるが、現実にはデータへ投資する医療機関は少ない。米国の年間12億件の医療記憶のうち8割は構造化されておらず、そのままでは活用は困難。それをコグニティブ・コンピューティングは自然言語処理を用いることで、非定型な記述をコンピュータで統計的に扱うことができる。医療機関に埋もれていた医療データの残り8割へのアクセスを可能なれば、医療供給者は患者をより深く理解でき、新しい医療界のデータ革命を起こす。

内容は、デジタルコンテンツ産業におけるデータ活用の状況やビジネスモデル、またおすすめやパーソナライズの文化的影響など。フランス語のみ。

仏データ保護当局、デジタルコンテンツ産業におけるユーザーデータ活用に関するレポートを公開
Lire, ecouter, regarder et jouer en ligne a l’heure de la personnalisation : decouvrez le nouveau cahier IP
コンテンツが紙やフィルムからデジタルデータへと解放されたことで、ユーザーのパーソナライズや分析から新たな余剰価値が生み出されている。こうしたコンテンツは、ユーザーエクスペリエンスこそが価値の本質であり、ユーザーからの信頼が必要なる。そのためプラットフォームは特にアルゴリズムに関して、透明性とロイヤリティ向上のための努力が必要となる。

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