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人間と同様のやり方で学習する新しいアプローチの人工知能(AI)が開発されたとするレポートが、米国時間10日発行「Science」誌に発表されたと一部の媒体が報じている。

NYTimesなどによると、「Bayesian Program Learning(BPL)」とよばれるこのアプローチは、マサチューセッツ工科大学、ニューヨーク大学、トロント大学に在籍する研究者が共同で研究開発したもの。膨大なデータを処理しながら認識精度を上げていく従来のAIとは異なり、確率的なアプローチを採用したBPLでは、少数の例を参照しただけで、比較的高い精度の認識が可能になるという。

NYTimesでは具体例として、様々な手書き文字(アルファベット)の認識を紹介しながら、BPLを採用したAIでは少数の文字を参照するだけで、書き手の特徴を掴み、同じ書き手による他の文字を選べるほか、マシン側が同じ特徴の文字を書くことも可能などとしている。また、特定の文字を参照した上で、同じ人間の書いた手書き文字を選ぶというテストを人間とAIに対して実施したところ、人間ではミスの確率が4.5%だったのに対し、このAIプログラムでは3.3%と人間よりも優れた結果が出たという。

なお、Washintong Postではこの技術の開発に携わったある研究者の話として、研究資金の一部として軍事関連予算が使われているとした上で、同技術が将来的には人工衛星を利用した監視などの軍事目的に利用される可能性もあるとしている。

【参照情報】
A Learning Advance in Artificial Intelligence Rivals Human Abilities - NYTimes
Researchers create a computer program that learns the way humans do - Washintong Post
Bayesian boost for A.I.: Researchers find a quicker way to teach a computer - GeekWire

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