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小型ドローン登録制度の中味が米国時間14日に発表されたことは既報の通りだが、この件に関して「ドローンを飛ばす前に損害保険に加入しておいたほうがいい」という内容の記事がさっそくBloombergに掲載されていた。

Your Kid Just Got a Drone. Should You Get Insurance? - Bloomberg

ドローンというとどうしても「業務用」のイメージが先に思い浮かんでしまうが、このBloomberg記事によると、米国では上は1台3000ドルもする4Kカメラ付きのDJI製最新機種から、安いものでは40ドル程度で買える「Protocol Neo-Drone Mini」といったものまで、さまざまな製品が販売されているという。おそらくクリスマスプレゼント用として売れるドローンの大半が、こうした安価なものーー数十ドルから高くても数百ドル程度のものではないかと思われるが、そうしたこともあって今年のドローン販売台数は約70万台(前年比63%)に達する見込みだそうだ。既存のものもあわせれば100万台を超える小型ドローンがもうじき存在、ということになろう。

また小型ドローンによる傷害事故もすでに発生しており、その一例として人気歌手エンリケ・イグレシアスがコンサート中に撮影用として飛んでいたドローンを掴もうとして指を切った事故が挙げられている。同記事からリンクされているCNN記事には、イグレシアスの右手に巻いた包帯が赤く染まった写真も出ていたりする。

それとは別に、11月下旬には英国でドローンのプロペラ部分が幼児の目にあたり大怪我するという事故のニュースがBBCで報じられていた。隣人が飛ばしていたドローンが木の枝に引っかかり制御不能に云々といった状況説明も出ているが、いずれにせよ(イグレシアスの場合と異なり)自分には何の落ち度もない幼児が犠牲に、というところに心が痛む。同時に、たとえばDJI(大手メーカー)のウェブサイトをみると、プロペラ部分が剥き出し機種しかみあたらず、またオプションで売られている「プロペラガード」というのも「プロペラの損傷防止」と書かれてあって、こうした設計自体が問題になったりしないのだろうかといった疑問も浮かぶが。

それはさておき。Bloombergでは、こうした事故に備える保険のひとつとして、Academy of Model Aeronauticsという団体に加入すると、事故に伴う医療費として最高2万5000ドル、人身事故の賠償金として最高250万ドルの保険金がそれぞれ支払われるという制度が紹介されている。同団体の加入費は年間75ドル、会員数は約18万5000人だそうだ。そのほか、大手損保会社のオールステート(All State)からはドローンが原因で生じる家財を対象とした損害保険も提供されているという。ドローンによる損害は「ペットが隣家の家具などを傷つけた場合と似たような扱い」というのが面白い。なお、この分野に関する訴訟増加を見越して、すでに「DroneInjuriesLawyer.com」というサイトを立ち上げた弁護士もいるという。

ちなみに、ウェブを検索すると、国内でも三井住友海上や損保ジャパン日本興亜といった各社から法人向けのドローン保険(「産業用」限定)がすでに出されているとか、個人(ホビー用)の場合は日本ラジコン電波安全協会に登録することで「ラジコン保険」(支払い限度額1億円)に加入できるとかといった情報がみつかる。ただラジコン保険の場合は「用務上の理由で利用した場合には事故が発生しても対象外」などという情報もあるので、このあたりはもう少しスッキリとした保険商品があるほうが望ましいのかもしれない。あるいは、いっそのこと商品自体のなかに保険料を含んで提供、といった形のほうが好ましいかとの考えも浮かぶが、1台40ドルの商品ではそうしたことも難しいかもしれない。

【参照情報】
Your Kid Just Got a Drone. Should You Get Insurance? - Bloomberg
Enrique Iglesias injured in concert mishap with a drone - CNN
Toddler's eyeball sliced in half by drone propeller - BBC
無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール - 国土交通省

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