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[2015年第50週]格安SIMが400万回線超、SIMフリー端末「g05」「VAIO S11」登場、「hitoe」用のSDK

2015.12.15

Updated by Naohisa Iwamoto on 12月 15, 2015, 15:12 pm JST

年の瀬になっても、格安SIM、SIMロックフリー端末の話題やIoT関連の話題が相変わらず活況を呈している。格安SIMの回線契約が前年比約75%と大幅に増加しているという統計や、新しいSIMロックフリー端末の製品の登場があった。また機能素材「hitoe」を活用できるSDKの提供や、防災情報対応IoTソリューション製品の登場に向けた動きもあった。

格安SIMトップはNTT Com、女性を狙うg05、ビジネスでVAIO S11

MVNO関連のトピックからまとめて見ていきたい。まず統計のニュース。MM総研は、国内MVNO市場の2015年9月末実績を発表した。MVNO回線契約数は3642万回線となり、前年同期の1928万回線に比べて88.9%と大幅に増加した。回線種別では、UQコミュニケーションズのWiMAX、Wireless City PlanningのAXGPのBWAが、前年同期比153.4%増の2567万回線と最も多かった。いわゆる格安SIMなどが含まれる「独自サービス型SIM」の回線契約数は、前年同期比で76.1%増となる405万8000回線へと増加した。独自サービス型SIMの事業者別シェアは、NTTコミュニケーションズが23.2%で1位だった(報道発表資料:国内MVNO市場規模の推移(2015年9月末))。

SIMロックフリー端末の話題が2つあった。1つはNTTレゾナントが発表した「gooのスマホ」第5弾の「g05(グーマルゴ)」。女性のSIMロックフリースマートフォンのデビューを想定し、シンプルで高品質なデザインを採用したほか、自撮り用途に対応するためインカメラの画素数をアウトカメラと同等の1300万画素に高めた。

「gooのスマホ」第5弾の「g05(グーマルゴ)」

5インチのフルHDを搭載しながら、狭額縁設計で持ちやすさを損ねないほか、指紋認証、眼セキュリティ認証も搭載した。希望小売価格は4万9800円。OCN モバイル ONE音声対応SIMパッケージ付きの特別価格として3万9800円で提供する(報道発表資料:性能もデザインも両方満足!スマートなSIMフリー節約 自撮り性能にこだわった「gooのスマホ g05」販売開始)。

もう1つはSIMロックフリーLTE搭載モバイルノートPCの話題。VAIOが発売をアナウンスした「VAIO S11」がそれだ。VAIO S11は、VAIO Zシリーズの技術を継承しながら、コンパクトなビジネスモバイルノートとして仕立てたもの。11.6インチのディスプレイ、本体重量は920〜960g、第6世代インテルCoreプロセッサーUプロセッサー・ラインを搭載し、最大約15時間の連続駆動が可能。LTE通信機能を搭載し、インターネットに常時接続が可能であるほか、SIMロックフリーであるため自由にサービスを選択して利用できる。価格は11万4800円から(報道発表資料:“ビジネス全方位コンパクト”VAIO S11新登場)。

さらに、VAIOがMVNOとなって提供する「VAIO オリジナル LTEデータ通信SIM」も提供する。1年間の利用期間で高速通信が32GBまで利用でき、基本通信が200kbpsで使い放題の「手間なし1年間プラン」の場合に、単品購入価格が1万3800円、VAIO S11と同時購入のキャンペーン価格は1万1800円となる。このVAIOのMVNOサービスについては、NTTコミュニケーションズがVAIOと共同企画して提供することをアナウンスしている。NTTコミュニケーションズがMVNEとしてモバイル通信サービスを卸提供し、VAIOがMVNOとして「VAIOオリジナル LTEデータ通信SIM」を提供するというものだ(報道発表資料:NTT Com × VAIO VAIOのモバイル通信サービスをNTT ComがMVNEとして支援)。

生体情報活用、家電の防災対策、ウエアラブル端末の新製品

IoT関連のトピックを紹介する。NTTドコモは、機能素材「hitoe」で計測可能な生体情報を自由に活用したサービスを開発するためのSDK「hitoeトランスミッターSDK」の提供を、サービス提供者向けに開始した。スマートフォンを介して「hitoeウェア/hitoeトランスミッター 01」で取得した心拍数、加速度や心電波形の生体情報を活用できるようにするもの。サービス提供者は、心拍数や姿勢推定を活用した効果的なトレーニングや、ストレス推定を活用した日々のコンディション確認など、生体情報を用いたサービスを開発し、提供できるようになる(報道発表資料:サービス提供者向けに「hitoeトランスミッターSDK」を提供開始)。

アプリックスIPホールディングス(以下、アプリックス)は、ブラザーエンタープライズがアプリックスの防災情報対応IoTソリューションを採用したと発表した。ブラザーグループの企業であるブラザーエンタープライズは、アミューズメント業界向けにモーターなどの遊技機用ユニットを開発・製造するほか、環境製品として地震の揺れを検知すると自動的に点灯する照明装置「マモリア」を提供している。アプリックスの防災情報対応IoTソリューションを採用することで、家電製品や家庭用品に防災機能を組み込み、安全に暮らせる環境を提供する製品を開発する(関連記事:ブラザーエンタープライズ、アプリックスのIoTソリューションで家電製品などに防災機能を組み込み)。

サムスン電子ジャパンは、2015年冬〜2016年春の商戦に向けた新製品を発表した。スマートフォンやウエアラブル端末、ヘッドマウントディスプレイなどの製品を紹介しながら、キーワードには「IoT」を掲げた。

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冬春の新製品で今回発表されたのは、スマートフォン「Galaxy A8 SCV32」、腕時計型のウエアラブル端末「Gear S2」「Gear S2 Classic」、VRに対応したゴーグル型ヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」、18.4インチの大型ディスプレイを搭載したマルチメディアデバイス「Galaxy View」。NTTドコモからすでに発売されたタフネス仕様のスマートフォン「Galaxy Active Neo SC-01H」を含めて、冬春のラインアップを構成する(関連記事:スマホも「IoTを奏でる要素」へと変化、サムスンが新製品を発表)。

5Gに向けたアイデアは?ソフトバンクが3GからLTEへリソース割り振り

この週のそのほかのトピックを紹介していこう。NTTドコモ 5G推進室とNTTドコモ・ベンチャーズは、シリーズイベント「5Gハッカソン」前半のまとめとなる「5Gアイデア発表審査会」を開催した。審査会では、選ばれた8件のアイデアについてのプレゼンテーションに続き、ドコモ5G推進室およびドコモ・ベンチャーズの4名の審査員と来場者による投票が行われた。投票の結果、グランプリ(賞金30万円)には「ドコモ・スマートファーム」が選ばれた。2位の準グランプリ(賞金10万円)は3件が同点となる大接戦となった。挙手による決選投票で、これも僅差で「2020年東京オリンピック ヴァーチャルフィールド観戦サービス」が選ばれた(関連記事:オープン・イノベーションで5Gの未来を伝える「デモ」を開発 ドコモのチャレンジ)。

ソフトバンクは、LTEサービスの拡充と、一部の3Gサービスの終了をアナウンスした。現時点でLTEサービスを提供していない1.5GHz帯で、2017年4月以降に順次LTEサービスを開始するほか、現在10MHz幅でLTEサービスを提供している1.7GHz帯で、2018年2月以降順次、LTEの帯域幅を15MHz幅へと拡大する。これに伴い、1.5GHz帯と1.7GHz帯で提供している3Gサービスを順次終了する(関連記事:ソフトバンク、1.5GHz/1.7GHz帯の一部3Gサービスを終了、帯域をLTEへ割り振り)。

ドローン操縦の技能資格の話題。DJI JAPANは、同社のドローン製品の操縦者を育成する企業向けプログラム「DJI CAMP」と、技能証明となる「DJI CAMP技能資格証明」の提供を開始する。

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今後3年間で10,000名の操縦者を育成する。技能資格はDJIマスター、DJIインストラクター、DJIスペシャリストの3段階。飛行操縦の実技だけではなく電波法、航空法などの座学も資格要件に含まれる。DJIはマルチコプターを専門とする飛行プラットフォームの製造販売を行っており、世界でもおよそ7割のシェアを占める最大手メーカーだ(関連記事:DJIが自社ドローンの操縦者育成プログラムと技能資格証明の提供を開始)。

エンドユーザー向けのサービスの話題を2つ紹介する。JapanTaxiとヤフー(以下、Yahoo! JAPAN)は、Yahoo! JAPANが提供する「Yahoo!地図」アプリからタクシーを呼べる機能の提供を開始したと発表した。JapanTaxiが提供する「全国タクシー」アプリと連携して実現したもの。今回の提携により「タクシー」の情報が加わった。タクシーで目的地まで移動した際の目安となる料金や、割り勘した支払額を示すことができる。さらに、Yahoo!地図アプリのルート検索結果から「タクシーを呼ぶ」ボタンをタップすることで、直接タクシーの配車依頼が可能になった(関連記事:「Yahoo!地図」からタクシーを呼べる、まず都内3400台から全国へ展開)。

KDDIは、「au WALLET Market」を拡大して全国約2500のauショップで同日に提供を開始した。全国展開に合わせて、ちょっといいものを提供する「こだわり」の商品に加え、生活雑貨や日常品などの「いつもの」商品を提供する商品ラインアップの拡充で、ショッピングの楽しさと利便性の両面を具現化する。買物額が「au WALLET プリペイドカード」にチャージとして還元される特典のある有料会員サービス「au WALLET Marketプラス」も導入する(関連記事:日用品も買える「au WALLET Market」が全国2500のauショップで提供を開始)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。