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本格的な自動運転車の実現に向けて大きな課題のひとつとなっている人間のドライバーと車輌AIとのいわゆる「ハンドオフ」問題について、解決の糸口となる見解が米運輸規制当局から示されたと複数の媒体が報じている。

米運輸省(Department of Transportation)の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration、NHTSA)は先ごろ、グーグル(Google)に対して、自動運転車の頭脳にあたる人工知能(AI)も人間と同様のドライバーとみなすことが可能とする判断を下し、これを同社に伝えていたことが、米国時間9日に公開された書類から明らかになった。

NHTSAのこの判断は、昨年11月にグーグルが同局に提出していた要望に対する回答のなかで示されたもの。Re/codeによると、グーグルはこの要望のなかで、人間のドライバーの同乗を前提とする現行の法律の一部を自動運転車には適用しないことに加え、ブレーキペダルや車線変更ランプ、ヘッドランプのビームスイッチなどを搭載しない車輌も認めることも求めていたという。

人間のドライバーによる操縦を前提として定められた現行の法律では、操縦に必要なハンドルや計器類などを車輌に搭載することが自動車メーカーに求められている。また、カリフォルニアやテキサスなど、すでにグーグルが公道走行実験を行っている各州では、万一の事態に備えて自動運転車にドライバーが同乗することが車両運行の条件となっている。そのため、グーグルは人間のドライバーを必要としない小型のプロトタイプをすでに開発・公開しているものの、実際の公道走行にあたってはこのプロトタイプにハンドルやブレーキペダルなどを付加したものを使用している。

既存の自動車メーカー各社の多くは、ドライバーの負担軽減や安全性向上といった視点から車輌に自動運転機能を搭載しようとしており、一部にはテスラ(Tesla)が「Model S」に実装したオートパイロット機能(高速道路走行時の利用が前提)や呼び出し機能(自動駐車や車庫入れ/車庫だしが可能)といったものも登場し始めている。それに対して、グーグルは人間のドライバーが自動走行機能を過信しすぎることへの懸念などから、AIからドライバーへのハンドオフを必要としない完全な自動運転車の実現を目指している。そのため、昨年12月にカリフォルニア州の陸運局にあたるDepartment of Motor Vehicles(DMV)が自動運転車へのドライバー同乗を条件とするルール案を公表した際には、同プロジェクトに携わる幹部がルール案の内容に異議を唱える発言を行っていた。

この話題を採り上げたReutersでは、人間のドライバーを必要としない車輌の公道走行実現には複数の法律を書き換える必要があり、そのためには数ヶ月から数年の時間が必要などと指摘するいっぽう、グーグルには一部の法律の適用免除をNHTSAに申請することも可能とする同局幹部の発言も紹介している。

米政府では1月に、アンソニー・フォックス(Anthony Foxx)運輸長官が自動運転車の実現を後押しするために、自動車メーカー各社に対して特例を認める考えを示唆していた。またそれと前後して、NHTSAが半年以内に自動運転車の公道走行に関するガイドラインを定める考えを明らかにしていた。

【参照情報】
Exclusive: In boost to self-driving cars, U.S. tells Google computers can qualify as drivers - Reuters
The computer in Google’s self-driving car can be considered the driver, US says - The Verge
Google's Self-Driving Car Software Considered a Driver by U.S. Agency - Bloomberg
Self-Driving Cars Clear a Hurdle, With Computer Called Driver - WSJ
Google to Federal Government: Where We’re Going We Don’t Need Typical Cars - Re/code

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