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米司法省、法廷での聴聞会をドタキャン - 対アップル「iPhoneロック解除問題」で

2016.03.22

Updated by WirelessWire News編集部 on March 22, 2016, 10:28 am JST

カリフォルニア州での銃乱射事件に関して犯人の使用していた「iPhone 5c」のロック解除をめぐって米司法省とアップルが争っている問題で、米国時間22日に予定されていた法廷での聴聞会の実施延期を求める申請が司法省から21日午後に提出された。延期申請の理由について司法省側からは、当該のiPhoneのロックを解除できる方法が見つかった可能性があり、この方法が本当に有効であればアップルの手を借りる必要がなくなるためなどと説明しているという。

この問題では先月半ばにカリフォルニア州リバーサイドの連邦地裁で、アップルに対してFBIへの協力を求める行政判事の判断が下されて以来、ユーザーのプライバシー保護などを理由に協力を拒むアップルとテロ対策=治安維持を理由に捜査への協力を強制しようとする司法省などとの間で激しいPR合戦が繰り広げられてきた。また連邦議会での公聴会で双方の幹部がそれぞれの言い分を主張したこともあった。22日にカリフォルニア州地裁で予定されていた聴聞会は、先月に出された行政判事の判断をめぐって、双方の弁護士らが直接対決する初めての機会として大きな注目を集めていた。

Bloombergなどの報道によると、加州連邦地裁は司法省からの聴聞会延期の申請を認め、同時にこの件についての報告を4月5日までに提出するよう司法省に命じたという。

司法省では、聴聞会の延期を求めた理由として、「ある外部パーティがこの週末に、問題のiPhoneのロックを解除できる可能性のある方法をFBIにデモしたため、まずはこの方法でiPhone内部に残されたデータが破壊されないかどうかを確かめる必要がある」ことなどを挙げているという。ただし、この話題に触れたWSJでは、「アップルの協力がなければ、犯人の使っていたiPhone内のデータを回収することは不可能」とする司法省側の主張に対して以前から懐疑的な見方をするセキュリティ専門家も少なくなかったとした上で、今回の延期申請により「司法省側の主張の信憑性が失われたことから、この件はこれで終わった」とする法律家の見方も紹介している。

なお、FBIにデモされたロック解除の方法が具体的にどのようなものかといった点は今のところ不明だという。

【参照情報】
U.S. Wants to Cancel Apple Court Hearing Over Terrorist iPhone - Bloomberg
U.S. Seeks Delay in Apple Hearing Over Terrorist’s Phone - WSJ
U.S. asks to cancel Apple encryption hearing, may be able to access device - Reuters

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