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トヨタ自動車(以下、トヨタ)が昨年秋に米国で設立したトヨタ・リサーチ・インスティチュート(Toyota Research Institute、TRI)が、シリコン・バレー(パロ・アルト、カリフォルニア州)、ケンブリッジ(マサチューセッツ州)に続く第3の拠点として、新たにミシガン州アナーバーにも研究拠点を開設し、自動運転車関連の研究を進めていくことが米国時間7日に発表された。

トヨタの発表によると、6月開設予定のTRIの新拠点はアナーバーにあるミシガン大学の近くに設けられ、同大学のライアン・ユースティス(Ryan Eustice)氏がマッピング技術で、エドウィン・オルソン(Edwin Olson)教授がセンサー・認識技術で、それぞれの研究を指揮していくという。ミシガン大学は、米自動車産業の中心地であるデトロイトと縁が深く、また昨年7月には同大学の主導で複数のパートナー企業が自動走行車の実験を行える「Mcity(エムシティ)」という施設を開設してもいた。

TRIのギル・プラット(Gill Pratt)CEOは、エヌビディア(Nvidia)の「GPU Technology Conference」での講演のなかで、ミシガン大学との連携について「同大学が特に自動運転など自動車安全に関する研究で非常に優れている」ことや既存の「トヨタテクニカルセンター(研究拠点)にも近いこと」などを挙げたという。

トヨタは昨年秋にTRIの設立を発表し、5年間に総額約10億ドルを投じて、人工知能を応用した自動運転車やロボットの研究を進めていくことなどを明らかにしていた。またTRIを通じて、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)との研究協力を進める計画も発表していた。

さらに、今年の年明けにはTRIの中核メンバーやアドバイザーの人選を発表、また3月にはTRIがMITのスピンオフであるジェイブリッジ・ロボティクス(Jaybridge Robotics)というベンチャー企業を買収したことも報じられていた。

今回の発表に触れたDetroit Free Pressでは、ミシガン大学からTRIの取り組みに参加するふたりの研究者について、米国防省の高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、DARPA)主催の「Robotics Challenge」に関わった経歴の持ち主などと紹介されている。なお、TRIのプラットCEOはDARPA在籍時に「Robotics Challenge」のプログラム・マネージャーを務めていた人物。

【参照情報】
人工知能研究会社Toyota Research Institute, Inc.、ミシガン州アナーバーに新拠点を開設 - トヨタ自動車
Toyota hires 2 U-M experts, raising self-driving ante - Detroit Free Press
Toyota joins University of Michigan researchers in driverless tech collaboration - The Stack
Toyota Hires Entire Staff of Autonomous-Vehicle Firm - WSJ

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