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アップル(Apple)が買収した音声認識/アシスタント技術「Siri」の開発者として知られるダグ・キットラウス(Dag Kittlaus)氏とアダム・チェイヤー(Adam Cheyer)氏が米国時間9日、「Viv」という新たなAIアシスタント技術をTechCrunchの「Disrupt NY」で発表した。

アマゾン(Amazon)の「Alexa」のような音声コマンドで動作するAIアシスタントが人気を集め、マイクロソフト(Microsoft)やフェイスブック(Facebook)でもAIを使ったチャットボットのようなアシスタント機能の開発に注力する姿勢を明らかにするなか、バイブ・ラボ(Viv Labs)が開発を進めてきたAI技術には「Siri」を超えるものとしてこれまでにも大きな注目が集まっていた。また先日には、Vivに対してフェイスブック(Facebook)やグーグル(Google)などが買収オファーを提示しているとする話がWashington Postで報じられていた。

今回発表された「Viv」について、同社に投資するプリツカー・ベンチャーキャピタル(Pritzker Group Venture Capital)のアダム・クーパースミス(Adam Koopersmith)氏という人物は、「Vivはデバイスの違いに関係なく動くように設計されている。あらゆるサービスに対応し、モバイル端末や自動車、家庭内にあるスマート端末などすべてのデバイスで利用できる、それぞれのユーザーにパーソナライズされたプラットフォーム」などとThe Vergeに対してコメントしている。また、Vivは幅広い外部サービスとの連携・統合を目指している点でアマゾンの「Alexa」やフェイスブックの「M」に近く、「Siri」や「Google Now」のような比較的クローズドなAIアシスタントとはその点が異なるとThe Vergeは説明している。

またVivはより複雑な質問への回答も可能で、9日のデモのなかでは「ゴールデンゲートブリッジ付近は明日の午後5時以降21度以上になりそうか」「シアトルでは3週間前の木曜日に雨だったか」のような質問に答える様子が披露されたほか、「アダムに昨日の飲み代を20ドル支払って」というような命令にも決済アプリの「Venmo」と連携して対応していたという。

TechCrunchによると、キットラウス氏らは2010年にSiriをアップルに売却した後、これまで約4年をかけてVivを開発してきた。また昨年にはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)、ダスティン・モスコヴィッツ(Dustin Moskovitz)、シェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)の各氏やツィッター(Twitter)のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏、リンクトインのリード・ホフマン(Reid Hoffman)などが資金を提供するアイコニック・キャピタル(Iconiq Capital)から1250万ドルの出資を受けていたという。

【参照情報】
Here’s the first demo of Viv, the next-generation AI assistant built by Siri creator - TechCrunch
The creators of Siri just showed off their next AI assistant, Viv, and it's incredible - The Verge
The Makers of Siri Just Previewed 'Viv' and It’s Scary Smart - Fortune

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