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ウーバー、ピッツバーグで自動運転車の公道走行テストを実施

2016.05.20

Updated by WirelessWire News編集部 on May 20, 2016, 18:31 pm JST

ライドシェアリング大手の米ウーバー(Uber)が進めている自動運転車技術の開発に関し、同社がピッツバーグ(ペンシルベニア州)周辺の公道を使った走行実験をすでに開始していることが明らかになった。

推定600億ドルを超える評価額を有するウーバーは、現在世界約450の都市でサービスを展開するライドシェアリング分野の最大手で、自動運転車関連では昨年秋に、米カーネギーメロン大学(CMU)と提携して、独自にの研究・開発を進める考えを明らかにしていた。またこの計画に基づいて同社がピッツバーグに設立した研究拠点Advanced Technology Centerに、CMUから40人程度の研究者やエンジニアがいっせいに移籍したことなどでも注目を集めていた。

WSJによると、ウーバーは同媒体に対して「ピッツバーグでの公道走行実験を今後数週間以内に開始する」とコメント。いっぽうPittsburgh Trbe-Reviw(PTR)では、1年ほど前からウーバーの自動車がピッツバーグ周辺で地図データの収集を続けていること、2〜3週間前からは自動運転に必要なレーザー/センサー類を装備した「Ford Fusion」を運行していることなどが報じられている。

PTR記事によると、ウーバーで自動運転分野の研究責任者を務めるジョン・バレス(John Bares)氏という人物は、CMUの「National Robotics Engineering Center」で13年間責任者を務めた後、2010年にカーネギー・ロボティクス(Carnegie Robotics)というベンチャーを立ち上げた技術者だという。同氏はPTRに対し、ピッツバーグの地形や気象条件、道路インフラなどに言及し、「狭くて急な坂道が多く、雨や雪も降り、さらにインフラも老朽化しているピッツバーグは、自動運転技術の実験に世界でもいちばん適した場所」などと説明している。

ウーバーと米市場で競合するリフト(Lyft)も、大手自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)と共同で1年以内に自動運転車の公道実験を進める考えを今月はじめに明らかにしていた。また19日には、GMが3月に買収したクルーズ・オートーメーションがリフトの実験での利用が見込まれるGMのEV車「Chevy Bolt」をベースにした自動運転車をサンフランシスコ周辺で運行していることも報じられていた。いっぽう、2009年から同分野の研究開発を続けるグーグル(Google)は先ごろ、カリフォルニア州の本社周辺、テキサス州オースチン、ワシントン州カークランドに続いて、アリゾナ州フェニックス周辺でも公道実験を行うことを明らかにしていた。

なお、米ではカリフォルニア、ネバダ、ユタ、アリゾナ、ノースダコタ、ミシガン、テネシー、フロリダの各州とワシントンDCで、自動運転車に関する条例が導入されており、ピッツバーグのあるペンシルベニア州でも現在法律制定に向けた作業が進んでいいるとPTRは記している。また、既報の通り、米運輸省の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration、NHTSA)では今年7月の発表をメドに、自動運転車のガイドライン作りが進められている。

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(Uber via PTR)

【参照情報】
Pittsburgh offers ultimate test for Uber's self-driving Fusions - PTR
Attention Pittsburgh, That Uber Is Learning to Drive Itself - WSJ
Meet Uber's first self-driving car - The Verge

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