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ガジェットやデバイスを電磁波で識別する:EM-ID

2016.05.27

Updated by Kenji Nobukuni on 5月 27, 2016, 08:00 am JST

ディズニーの魔法を支える科学を研究しているディズニー・リサーチが開発したEM-IDは、デバイスやガジェットが発する電磁波を調べて、機種などを識別する技術。同じ種類の機器の間の違いまで識別できるという、電磁(Electro-Magnetic)のID(entification)技術である。

タブレット、スマートフォン、ノートPCなどのほか、電磁波を発するデバイスやガジェット、テレビやキッチン用品などなどの識別に利用できる。精度はといえば、ライトセーバーのおもちゃならほぼ100%の精度で分かるが、iPhoneでは75%と低く、全体としては約95%の正確性となるようだ。

デバイスの識別に使われる技術としては、バーコード、RF-IDなどがある。RF-IDは、スキャナーを向けて読むバーコードに比べて利便性が高いものの、印刷するだけのバーコードに比べるとコストがかかるという問題がある。ディズニーは、識別される製品の側には追加コストなしで弁別するシステムを目指して、EM-ID関連の技術開発を行っているようだ。電子機器にとって、電磁波は雑音としてどうしても出てしまうものなので、それを利用しようということらしい。

実際の利用シーンを想定すると、例えば工場の生産ラインでの部品の在庫管理には使えない。また、製品の組み立てが終わった後の倉庫における在庫管理にも使えない。部品は電磁波を出さないし、完成品であっても箱に入れられて電源が切られていれば電磁波を出さないからだ。

おそらく、使用中の機器の識別に使うということになるのだろうが、EM-ID読み取り装置の近くを通りがかっただけで、知らぬ間にカバンの中のデバイスの種類を読み取られるというのは、あまり気分のいいものではないだろう。読み取り装置の利用を明示したうえでコンサート会場でのカメラや録音機のチェックを効率化するなど、限定された用途はありそうだ。

【参照情報】
EM-ID: Tag-less Identification of Electrical Devices via Electromagnetic Emissions

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来