ソフトバンク、LTE-Advancedで衛星通信を実現するシステムを試作開発

2016.06.10

Updated by Naohisa Iwamoto on 6月 10, 2016, 06:26 am JST

ソフトバンクは2016年6月9日、LTE-Advancedに対応した衛星通信システムを試作開発したことを発表した。地上で利用しているLTE/LTE-Advancedと同じ通信規格を利用するため、地上ネットワークとの親和性が高いことが特徴だ。

ソフトバンクは、2014年7月から、LTE-Advancedに対応した衛星通信システムの試作システムの実証実験を行い、研究開発を続けてきた。ソフトバンクによれば、世界で初めての試作開発になるという。

▼LTE-Advancedを使った衛星通信の試作システム構成(ソフトバンクのニュースリリースより)20160609_softbank001

静止衛星を利用した衛星通信システムは、地上ネットワークの通信システムと異なり、端末と基地局の間の伝搬距離が7万2000kmと非常に長い。そのため、伝送遅延時間も約0.5秒と長くなり、これまでは衛星通信システムごとに独自の通信規格を用いるのが一般的で、専用の衛星ゲートウエイ局(衛星基地局)や衛星通信専用端末を用意する必要があった。試作システムでは、3GPPで標準化が進められているLTE-Advanced規格に準拠するため、衛星基地局や衛星通信端末には専用の通信規格を実装する必要がなく、地上システムと同様の装置を利用できる。

試作システムでは、LTE-Advanced対応の汎用の基地局と端末に、衛星を経由する際の伝搬遅延対策用のパラメーターを設定するソフトウエアを開発して搭載した。伝搬遅延時間0.5秒を仮想的に生成する衛星回線エミュレーターと、係留気球無線中継システムで代用した静止衛星を組み合わせて試作システムを構成し、実証実験を行った。実証実験では、音声、データ通信が正常に作動することを確認、また同一の端末で衛星ネットワークと地上ネットワーク間のハンドオーバーが可能なことも確認した。

ソフトバンクでは、試作システムに対応したスマートフォンによって、将来的には地上ネットワークと衛星ネットワークの双方を利用できるようになると見込む。塀女児は地上ネットワークの通信サービスを利用し、災害時などは衛星ネットワークのサービスを利用するといったことが可能になると説明する。

【報道発表資料】
LTE-Advancedに対応した衛星通信システムを世界に先駆けて試作開発

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

RELATED NEWS