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ライドシェアリング最大手の米ウーバー(Uber)と大手自動車メーカーのフィアット・クライスラー(Fiat Chrysler;以下、FCA)が、自動運転車の開発に関する話し合いを進めていると、Bloombergなど複数の媒体が報じている。

FCAは、5月初めにグーグル(Google)の自動運転車技術を搭載するSUV100台を製造することで同社と契約を結んでいた。ただ、FCAのセルジオ・マルシオーネ(Sergio Marchionne)はその際にもアップル(Apple)などグーグル以外のシリコンバレー勢との提携を模索していく考えを明言しており、今回のBloomberg記事にもFCAがアマゾン(Amazon)と商品配送用車輌の開発に関して接触しているとする関係者の話が紹介されている。

GMやフォード(Ford)が自動運転車に関して独自に研究開発を進め、またライドシェアリングやカーシェアリングなどの分野でも主導権の確保を狙った動きを見せてきている。それに対し、資金力などで劣るFCAはシリコンバレー勢との提携を通じ、ハードウェア・メーカーとしての生き残りの道を模索している可能性が伺える。

いっぽう、ウーバーは先ごろサウジアラビアの政府系ファンドから350億ドルの資金を調達したことが話題になっていたが、同社も昨年後半から自動運転車技術の開発に着手しており、先月にはピッツバーグ(米ペンシルベニア州)周辺で公道実験を開始したことも報じられていた。

Bloombergは、FCAとウーバーとの話し合いについて、まだ予備交渉の段階で協議が先に進まない可能性もあるとし、またウーバーがFCA以外に複数の自動車メーカーとも話し合いを進めていることにも触れている。

なお、ウーバーとトヨタ自動車が先月発表していた提携に関し、いまのところ協力の範囲は、Uberドライバーへのトヨタ車のリース提供に限られ、両社には自動運転車関連の開発で協力する計画はないとする関係者の話が、今回の話題に触れたWSJ記事には紹介されている。

【参照情報】
Fiat Said in Talks With Uber as Marchionne Seeks Tech Deals - Bloomberg
Uber, Fiat Discuss a Self-Driving Car Partnership - WSJ
Fiat Chrysler reportedly in talks with Uber about a driverless car partnership - The Verge

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