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米連邦通信委員会(FCC)のトム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長が、現地時間23日に5Gネットワーク用の周波数帯開放に関する提案をFCCに行うことが同20日に明らかになった。FCCではこの提案の可否に関する投票を7月14日にも行うことになるという。

米国ではベライゾン(Verizon Wireless)がすでに5G網のテストに着手しており、AT&Tでも今年夏中に試験運用を開始する予定。それに対して、韓国や日本もそれぞれの五輪開催(平昌オリンピックは2018年、東京五輪は2020年)にあわせて5Gサービスを展開する計画を進めており、また欧州でも展開に向けた検討が進められている。FCCでは米政府が後押しすることで、4Gの時と同様、5Gの展開でも他の地域に先行したい考えだと、この話題を採り上げたWSJやReutersでは伝えている。

Reutersによると、ウィーラー委員長は「この提案がFCCで承認されれば、米国は世界で最初に5Gネットワーク向けとしてハイバンドの周波数帯を開放する国になる」と説明しているという。

5Gネットワークは、現在の無線通信網に比べて10〜100倍高速な通信が可能になり、また遅延時間も大幅に短縮されることなどから、自動運転車、遠隔手術、没入型教育サービスやエンターテイメントシステムなど多岐にわたる次世代技術の実現にとって欠かせぬ存在とみられている。

ウィーラー氏は今回、FCCでは5Gに関する仕様策定や用途などの議論には立ち入らず、まずは利用可能な周波数帯を明らかにした上で、具体的な用途や運営などについては民間主導で議論を進めるとの考えを示した。また5Gの大規模な商用展開が始まる時期について2020年頃になるとの見通しも明らかにしたという。

なお、The Vergeでは、FCCが5G展開に向けた準備の一環として、現在のWi-Fiのように誰でもライセンスなしで利用できる帯域を一部に用意する考えも示していると述べている。

【参照情報】
FCC to Vote on Rules for 5G Network in July - WSJ
U.S. FCC to vote on spectrum for 5G wireless networks - Reuters
The FCC will start to make 5G a reality this week - The Verge

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