インド2016年Q1のスマホ出荷は2,350万台:「Make in India」で25以上の地場メーカーが乱立

2016.06.24

Updated by Hitoshi Sato on 6月 24, 2016, 14:55 pm JST

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IDCインドは2016年5月17日、インドでの2016年第1四半期(1月~3月)のインドにおけるスマホの出荷台数を発表した。それによるとインドでの2016年Q1では前年同期比5.2%増の2,350万台が出荷された。なお2016年Q1での4Gスマホは前年同期6倍の1,540万台だった。サムスンのJシリーズがけん引している。新製品の出荷だから4Gが占める割合が多いのもうなずける。だが実際にはまだインドでは全土にわたって4Gが普及しているわけではない。

2015年Q4(10~12月)の出荷に比べると、8.2%減少している。2期連続の減少だが、Q4はクリスマスシーズンなので、世界規模で出荷が多いので、Q4と比較して減少しているのは珍しいことではない。インドではかつてはフォーチャーフォンの出荷の方が多かったが、最近ではスマホが主流になっている。今までは価格が安いということでフィーチャーフォンの人気が高かったが、現在ではスマホの低価格化が進んでいる。そのため多くの人がスマホにシフトしている。

それに伴って大量の中古端末も流通している。実用主義的なインド人は中古端末であっても利用できればそれでいいと思っている人が多い。また下位カースト層は新製品を購入できない人も多い(携帯電話を所有できない層も多い)。

フィーチャーフォンであれ、スマホであれ中古端末の増加は新規のスマホ出荷が減少していることの要因の1つとして考えられる。インドでは2015年1年間に1億台以上のスマホが出荷された。出荷が減少しているとはいえ、それでも12か月で今年も1億台は突破できる可能性は十分にある。

「Make in India」で地場メーカー乱立のインド

インドでは現在モディ首相が主導で推進している「Make in India」という政策がある。これはIT業界だけでなくあらゆる業界においてインドでの製造、生産と販売を行っていくことによって、インドの自国産業振興と雇用促進を推進していく政策である。そのため最近ではインドでは地場のスマホメーカーが多く、IDCによると現在25以上の地場メーカーがあり、2016年Q1に出荷されたスマホの3分の2がインドで組み立てられた。そのため格安のインド地場メーカーのスマホが大量に流通しており、MicromaxやIntexなど従来からインド市場で台頭していたスマホメーカーのシェアが減少している。

インドでも大量に格安のスマホが流通してきて、スマホはコモディティ化してきた。そして「Make in India」の影響で多くの地場メーカーが乱立しているため、メーカーごとの差別化の要素は端末価格くらいである。製品仕様やデザインでの差別化はほとんど無い。これからもメーカー間での激しい価格競争は続くであろうし、そうなると体力勝負になるだろうから、消費者にとっては格安の端末が大量に流通するから嬉しいだろうが、インドの地場メーカーやインドに進出しているサムスン、Lenovoなどのグローバルメーカーにとっては厳しい状況になるだろう。

▼2016年Q1におけるインドでのスマホ出荷メーカー別シェア
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(IDCインド発表)

【参照情報】
Indian Smartphone Shipments Declined for the Second Consecutive Quarter In Q1 2016, While Posting a 5 Percent Year On Year Growth: IDC

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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