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2016年7月1日以降、順次山開きする富士山。今年も大手キャリアから、通信サービスの提供のアナウンスが相次いだ。NTTドコモは受信時最大375MbpsのPREMIUM 4Gを山頂で提供、KDDIはWi-Fiの充実やエリア品質向上を目指す。

●ドコモ:山頂で375Mbpsの高速通信提供

NTTドコモは、7月10日から山開きの期間中、FOMAおよびLTEの通信サービスを提供する。今年は、富士山の山頂で受信時最大375MbpsのPREMIUM 4Gを提供することが特徴。また登山口、登山道では、受信時最大速度が2015年の225Mbpsから337.5Mbpsへ高速化する。前年まで提供していた須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルートに加え、吉田ルートでもサービスを提供し、四登山道で通信サービスを利用できる。

山小屋では、一部を除いてdocomo Wi-Fiの公衆無線LANサービスを提供する。また一部の山小屋にはタブレットを配備し、翻訳アプリ「はなして翻訳」などを訪日外国人旅行者に利用してもらえるようにするほか、dTVなどのコンテンツサービスを楽しむこともできる。

●KDDI:山頂、登山道などでエリア化、全山小屋で無料Wi-Fi

KDDIは、7月5日から富士山頂のエリア化を実施する。富士山で4G LTEの通信サービスを利用できるのは、富士山頂と、吉田口ルート、富士宮口ルート、須走口ルート、御殿場口ルートのそれぞれの山小屋、登山口、登山道。登山口と登山道は通年のサービスを提供している。山小屋や休憩所などの建物内は、オーナーの協力を得て中継装置を設置することで品質を高める。

一方、ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、静岡県と山梨県の受託事業者として、富士山の全山小屋を含む49カ所と、富士山静岡空港で、無料Wi-Fiサービス「富士山Wi-Fi」を提供する。富士山Wi-Fiは、国内の観光客および訪日外国人観光客のいずれもが無料で利用できる。「SNSアカウント」または実在する「Eメール」での認証を行い、安全で簡単にサービスを利用できるほか、「00000JAPAN」にも対応しており災害時などの有事の通信手段としても利用できる。また、KDDIは、富士宮口、須走口、御殿場口、吉田口で、多言語音声翻訳システムを活用した訪日外国人のへの多言語による観光案内を開始することもアナウンスしている。

●ソフトバンク:CAや無線基地局の新設でLTEなどの品質向上へ

ソフトバンクは7月上旬から、富士山頂および登山道で「SoftBank 4G LTE」「SoftBank 3G」のサービスを提供する。エリアは山頂と4つの登山口ルートの登山口および登山道。2016年は、2.1GHz帯と900MHz帯のキャリアアグリゲーションによって、下り最大187.5MbpsのLTE通信を提供する。また、8合目周辺および登山道の電波対策として、須走・吉田口8合目付近に無線基地局を新設して無線品質の向上対策としている。

【報道発表資料】
富士山頂において375MbpsのLTE通信サービスを提供(NTTドコモ)
より安心・安全な登山をサポート! 富士山の登山道や山小屋、休憩所で更なるエリア品質向上を実現(KDDI)
富士山史上初! 全山小屋で利用可能な無料Wi-Fi、「富士山 Wi-Fi」を提供!(ワイヤ・アンド・ワイヤレス、KDDI)
富士山頂で今年もLTE通信を提供開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。