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金属の表面に塩素原子を配置することで1平方センチメートルあたり10テラバイトものデータを保存できる可能性のある新たなストレージデバイスに関する論文が、オランダの物理学者らによって発表された。将来的にストレージデバイスの大幅な小型化を実現可能な技術として複数の媒体がこの話題を採り上げている。

新たな技術はデルフト工科大学に在籍する物理学者、サンデル・オッテ(Sander Otte)教授の研究チームが開発し、科学誌の「Nature Nanotechnology」上で論文を発表したもの。この技術では、銅の表面にランダムに散らばった塩素原子を整然と並べることで、1平方インチあたりで現在最も性能の高いハードディスクの約100倍もの情報を保存できるという。また、これまでに研究されてきた原子サイズのデータ保存技術ではデータの書き込みが一度しかできなかったが、新たな技術では書き換えも可能だという。

オッテ教授らは、同技術のデモとして、銅表面の100ナノメーター四方の範囲に、物理学者のリチャード・ファインマン氏が1959年に行ったスピーチの一部を記録。その後、これを消去し、同じ原子を使ってチャールズ・ダーウィンの「種の起源」の一部を書き込んだという。

この話題に触れたZDNetでは、この技術が現時点では概念実証の段階で、データ保存の実行には−198度の環境が必要としながら、同技術をクラウドでのデータストレージに活用する可能性を想定する研究者らの見方を紹介。また、同技術が3次元構造で実現できれば、キューブサイズの塩ほどの大きさに数百テラバイトのデータを保存できる可能性があるなどとしている。

【参照情報】
This tiny storage breakthrough could hold 10 terabytes of data in one square centimetre - ZDNet
Tiny Hard Drive Uses Single Atoms to Store Data - WSJ
Data Storage Breakthrough Could Store the Library of Congress on a Dust Mite - Popular Mechanics

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