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車載カメラなどのセンサー類やデータ解析技術などを自動車メーカ各社に提供するモビルアイ(Mobileye)が、米テスラ(Tesla Motors)との取引関係を解消することになったという。5月に米国で発生したテスラ「Model S」の死亡事故に関わる両社の見解の相違が原因と伝えられている。

Reutersによると、テスラは現在、同社の「Model S」や「Model X」に搭載される安全運転支援機能「Autopilot」用として、モビルアイ製の「EyeQ3」というシステムを採用している。モビルアイは今回の発表のなかで、「EyeQ3」については今後もソフトウェアのアップデートなどを通じてサポートを続けていくものの、ハードウェア関連のアップグレードは行わないことになったとしているという。またテスラは声明のなかで、Autopilot機能に使われるカメラ関連のソフトウェアの内製化を進めていくとしているという。

モビルアイの売上全体に占めるテスラの割合は約1%で、同社ではテスラとの取引解消による影響は軽微としているものの、この発表を受けてモビルアイの株価は一時約8%下落していたとWSJは伝えている。

WSJによると、モビルアイはゼネラルモーターズ(GM)、BMW、日産自動車、現代自動車の各社と取引があり、これら4社への売上が全体の6割以上を占めているという。なお、同日発表された第2四半期の業績は売上が8350万ドルで、純利益が2690万ドルだったという。

モビルアイは今月はじめに、BMW、インテル(Intel)と共同で、自動運転車関連の技術開発を進める計画を発表していた。同社は今回の発表のなかで、今後は完全な自動運転用のシステム開発にリソースを集中させていく考えを明らかにしたという。

5月に米フロリダ州で発生した「Model S」の事故では、モビルアイ側が車輌前方を横切る大型トレーラーを認識し、衝突を回避することは「EyeQ3」では想定外の機能と主張していたのに対し、テスラ側では同システムが白く塗られたトレーラーの後部荷台部分を交通標識と誤認し、ブレーキをかけなかった可能性があるなどと説明していた。

この話題を採り上げたBloombergでは、複数の自動車メーカーとの取引関係に引きずられる形でモビルアイの技術更新の速度がテスラの要求するペースに追いついていないなどとするテスラのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOの声明とともに、Autopilot機能を実際の性能以上にアピールするテスラとの取引を続けると自社の評判に傷がつきかねないとモビルアイが判断した可能性があるとする証券アナリストの見方も紹介されている。いっぽうRecodeでは、自動運転関連の技術開発を手掛ける米ベンチャー、Comma.aiのジョージ・ホッツ(George Hotz)CEOの話を紹介。同氏は「自動運転技術の開発に必要とされるAI(マシン・ラーニング)研究者の確保に比べれば、モビルアイのシステムを再現するのはかなり簡単で、別に最良の人材でなくてもできる。自分の場合は2ヶ月でつくってしまった」などと述べている。

【参照情報】
Mobileye Ends Partnership With Tesla - WSJ
Mobileye Falls After Saying It Won’t Extend Work With Tesla - Bloomberg
Mobileye split with Tesla spurs debate on self-driving tech - Reuters
In the wake of a fatal crash, Tesla will quit using Mobileye's chips for Autopilot vision - Recode

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