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グーグル(Google)で7年半にわたって自動運転車開発プロジェクトの主要メンバーとして働いてきたロボット工学研究者のクリス・アームスン(Chris Urmson)が同社を退社することが米国時間5日に明らかになった。

NYTimesでロボットや自動運転車関連の話題を担当するジョン・マーコフ(Jon Markoff)記者は、事業化の目処が立っていない同プロジェクト内部で、今後の方向性をめぐって意見対立が生じており、数ヶ月前には不満を抱いたアームスン氏と持株会社アルファベット(Alphabet)のラリー・ペイジ(Larry Page)CEOとが口論する姿も見られたとするグーグル従業員の話、あるいはこの口論をきっかけに休暇を取ったアームソン氏が最近になって退社を決断したとする別の関係者(元従業員)の話などを紹介している。

グーグルは、昨年前半にあった最高財務責任者(CFO)の交代で、投資銀行モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)出身のルース・ポラット(Ruth Porat)氏が新CFOに就任して以来、持株会社制への移行をはじめとして大規模な組織再編を実施。同時に、アルファベットから各新規事業に対して説明責任の強化や採算性の見直しを求める圧力が高まっているといった話も一部で伝えられていた。

またこの組織再編に伴い、それまで研究開発部門「Google X」のプロジェクトのひとつとして進められていた自動運転車開発の取り組みも独立した事業部門となり、昨年9月には自動車業界出身者のジョン・クラフチック(John Krafcik)氏が同部門全体の責任者に指名されていた。

カーネギー・メロン大の研究者としてDARPAグランドチャレンジ(米国防高等研究計画局の主催するロボットや自動運転車関連のコンテスト)に参加したこともあるアームスン氏は、Google Xを立ち上げたセバスティアン・スラン(Sebastian Thrun)氏(現ユダシティ、スタンフォード大学)から約2年前に自動運転車プロジェクトの責任者を引き継いだが、クラフチック氏の加入に伴って技術開発の責任者に職責をシフトしていた。なお、Recodeではグーグルの自動運転車に使われているソフトウェアは、アームスン氏がコードを書いたものと記している。

アームスン氏は5日にMediaumで公開したブログのなかで退社の考えを明らかにしているが、このなかには今後の進路について具体的に触れた箇所は見当たらない。

NYTimesは、グーグルの同プロジェクト関連では昨年後半以降、主要な幹部の流出が目立っているとし、具体例として今年はじめに自動運転トラック開発のベンチャー起業オットー(Otto)を設立したアンソニー・レヴァンドウスキィ(Anthony Levandowski)とリオール・ロン(Lior Ron)氏や、別のベンチャー立ち上げを準備中とされるデイブ・ファーガソン(Dave Ferguson)氏ならびにジャジュン・ズー(Jiajun Zhu)氏というマシンビジョン専門家ふたりの名前を挙げている。

【参照情報】
The View from the Front Seat of the Google Self-Driving Car: A New Chapter - Chris Urmson (medium)
Latest to Quit Google’s Self-Driving Car Unit: Top Roboticist - NYTimes
Google's self-driving car unit is losing three key execs - Recode
Google self-driving car project director Chris Urmson steps down - VentureBeat
Google’s autonomous car project loses a key player - SlashGear

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