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5Gは5.5億、セルラー接続のIoTデバイスは15億--2022年の状況をエリクソンが予測

2016.12.27

Updated by Naohisa Iwamoto on 12月 27, 2016, 12:42 pm JST

エリクソン・ジャパンは、世界の最新モバイル事情を分析した調査報告書「エリクソン・モビリティレポート」の最新版を解説するメディアブリーフィングを2016年12月22日に実施した。現行のモバイルサービスや、今後の5G、IoTなどの動向について、2022年までの予測を示したものだ。

まず現状として、2016年第3四半期の世界のモバイル加入契約数は75億件で前年比3%増、モバイルブロードバンドの加入は41億件で同25%増と、エリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏から説明があった。スマートフォンの加入契約数は、全モバイル加入契約数の55%を占める。同四半期のモバイル加入純増数は、上位5カ国がインド(1500万件増)、中国(1400万件増)、インドネシア(600万件増)、ミャンマー(400万件増)、フィリピン(400万件増)となっており、各国の事業者が注目している市場のミャンマーが市場の成長率で上位に食い込んだ。

▼無線通信ごとの加入契約数予測20161227_ericsson001

2022年には、モバイル加入契約数は89億件にまで伸張。モバイルブロードバンド加入契約は80億件になり、全体の90%がモバイルブロードバンドになると予測する。無線通信方式ごとに見ると、2016年第3四半期時点ではいまだGSM/EDGEが最大勢力だが、2019年にはLTEが最大のモバイル加入になり、2022年にはLTE加入契約数が46億件に達すると見積もる。さらに、2020年ごろから商用化が始まる5Gは、2022年末までに5億5000万件の加入契約数に達すると見る。地域別では、北米では2022年に約25%の加入が5Gへ移行、日本、韓国、中国を中心に5Gが推進されるアジア太平洋でも10%が5Gへ移行するとの予測だ。

▼北米では2022年に25%が5G契約に20161227_ericsson002

IoT関連では、コネクテッドカーとセルラー接続のIoTについて、現状と今後の展開についての説明があった。

「コネクテッドカーなど自動車を対象とした無線通信は、通信事業者にとって2面対応型のビジネスモデルを構築できる可能性がある。1面はB2Cで、自動車を利用する消費者からのハードウエア代金や接続料金を収入源とするもの。もう1面はB2Bで、コネクテッドカーサービスを提供するパートナー企業とエコシステムを構築し、料金収入などを得るもの。通信事業者は2面対応により、収益源を増やすことが可能になる」(藤岡氏)。

コネクテッドカーでの利用を想定したLTEベースの通信規格については、3GPPでの審議の状況の説明があった。「3GPPでは、自動車と自動車の間の通信であるV2Vについて、2016年9月に仕様が凍結された。自動車以外との間の通信も含めたフルセットのV2Xは2017年3月に仕様が凍結される予定で、リリース14に組み込まれる」(藤岡氏)。5GのNR(New Radio)に向けたV2Xの高度化に向けては、LTE V2Xを置換するのではなく、LTE V2Xを保管する形でシームレスな移行を目指していることを説明した。

▼LTEベースのV2V、V2Xの標準化ロードマップ20161227_ericsson003

大量IoT接続デバイスについては、都市部での利用のシナリオを紹介した。大量IoT接続デバイスとして、水道メーター、電力メーター、ガスメーター、自動販売機、自転車フリート管理、走行距離連動型保険(自動車向け)を想定。それぞれのメッセージサイズ、送信間隔とデバイスの面密度をから、トラフィック特性を予測した。藤岡氏は「この大量IoT接続デバイスのトラフィック特性を使った場合、セルラー接続IoT方式の1つであるNB-IoTが提供可能なキャリア容量に対して、IoT接続デバイスのトラフィックは6%を占めるにしか過ぎないことが明らかになった」と説明する。NB-IoTは、低消費電力で広いカバーエリアの通信ができる代わりに、端末側のピークレートは数十kbpsと低速になる。それでも、固定した大量IoT接続デバイスの通信トラフィックに対してならば、余裕をもって利用ができることを示した。

▼NB-IoTで大量IoT接続デバイスのトラフィックを収容可能20161227_ericsson004

モバイル通信を使って接続するデバイス数としては、2022年に総数が約290億個になると予測。2022年時点の内訳としては、固定電話が約13億、携帯電話が約86億、PC、タブレットなどが約17億と見る。一方、IoTデバイスは、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBeeなどの「短距離IoT」が約160億とデバイス中でも最多になると分析する。NB-IoT、SIGFOX、LoRaWANなどの「広域IoT」は約21億で、その中の70%がセルラー接続の技術を使ったNB-IoTやCat-M1となると予測している。

▼モバイル通信するデバイス数の数量の推移20161227_ericsson005

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。