3DSignals(3DSignals)

音を聞いて機械の不調を察知する「耳のいいAI」自動運転車両の故障検知に活用へ

2017.01.06

Updated by WirelessWire News編集部 on 1月 6, 2017, 08:20 am JST

機械の調子が悪くなり始めると、機械の駆動部や可動部分などが発する音が変化する。かつては職工と呼ばれる人々が、工場内の設備や装置の発している音を聴いて機械の調子を知ったり、異常を早期発見したりしていたようだが、人工知能(AI)の時代にはそうした職人技を機械が行ってくれるようになるかもしれない。

多くの深層学習が顔認識など画像に目を向ける中、イスラエルのスタートアップ、3DSignalsは音に耳を傾けている。同社は機械の発する音を超音波センサーで拾い、コンピュータにこれを「聴かせる」ことによって、深層学習により不調を来した機械の出す雑音のパターンを理解させ、問題が顕在化する前に予防保全を行うことができるというシステムを開発している。人の可聴領域(20Hzから20kHz程度)よりも広い領域(100kHzまで)を対象にする。

工場のラインで製造装置が故障すると、修理、復旧までの時間は稼働させることができず、生産効率が激減してしまう。不調の有無に関わらず、定期的にメンテナンスを行えば、ダウンタイムは短縮できるが、まだまだ使える設備を止めてしまうことになる。AIに機械の音を機械に常に聴かせて異常を予見してもらえるならば、そのメリットは大きい。

同社は欧州の自動車メーカーと協業し、この技術を自動車にも適用しようと目論んでいる。人の耳には聞き分けられないような異音を察知して、適切にメンテナンスすることができれば、路上で走行中に故障するリスクは下がるし、まだまだ好調なマシンを点検する無駄も減る。もっとも、自動車整備には長い歴史があって、メーカーと整備工場とが協調して、車の状態を良好に保つ不断の努力を続けている。3DSignalsの技術が期待されているのは、自動運転車(セルフ・ドライビング・カー)への適用だ。

すでに各国で、シャトルバスなどに自動運転車が導入され始めており、トラックなどでも実験が進められている。自家用車だけでなく、運送用車両や、バス、タクシーなどでも自動運転車が使われるだろう。人件費抑制のためにドライバーに無理を強いれば事故を招き、結局はコストが高くつく。自動運転に対応することで車両の価格が上がったとしても、ドライバーの人件費が不要になれば安全でかつ収支は合うはずだ。

ドライバーががいなくなることでで問題となるのが車両故障の察知だ。乗客の立場からすれば、目的地まで安全に運んでもらえれば良いだけのことなので、仮に乗車したセルフ・ドライビング・タクシーの調子が変だと思っても、タクシー会社に報告などせず降車してしまうだろう。かりに報告する気があったとしても、専門家でなくては異常を察知することは難しい。そこで、正確に機械の不調を自動検知できる仕組みが重要になるわけだ。学習が終わると3DSignalsの深層学習アルゴリズムは98%の正確さで機械の不調を予見できるようになるという。

【参照情報】
3DSignals
AI system listens to your engine and tells you if you’re running into problems
3DSignals Emerges Out of Stealth with Two International Customers

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