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磁石 イメージ

②理論物理学からカンニングの研究へ-法則はみんな同じ

2017.01.13

Updated by Masayuki Ohzeki on January 13, 2017, 11:18 am UTC

大関はこれまで磁石の理論的研究を行ってきた。この理論では、個々の磁石原子の強さは「磁場の強さ」と「周囲の磁石原子からの影響」の足し算によって記述される。しかしこの理論は磁石にだけあてはまるものではない。なぜならば、理論物理学によれば世界の現象はシンプルな法則で出来ているはずであり、この理論は他の現象にも適用可能なはずだからである。そこで大関は、「磁石の強さ」を「テストの点数」、「磁場の強さ」を「学習の度合い」、そして「周囲の磁石からの影響」を「周囲の生徒からの影響」と置き換えてテストの点数を予測する関係式を考案した。この式のうち、周囲の生徒からの影響とはまさにカンニングであり、この式はカンニング検出までも可能にするのである。


東北大学大学院情報科学研究科 准教授 大関真之の語る「価値創造プロセスを革新するための手法」#2
2015年10月27日(月)19:00~21:30
東北大学大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 准教授 大関 真之(おおぜき まさゆき)
http://scholar.tokyo/

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大関 真之(おおぜき・まさゆき)

1982年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻博士課程早期修了。東京工業大学産学官連携研究員、ローマ大学物理学科研究員、京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻助教を経て2016年10月から東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学専攻准教授。非常に複雑な多数の要素間の関係や集団としての性質を明らかにする統計力学と呼ばれる学問体系を切り口として、機械学習を始めとする現代のキーテクノロジーを独自の表現で理解して、広く社会に普及させることを目指している。大量の情報から本質的な部分を抽出する、または少数の情報から満足のいく精度で背後にある構造を明らかにすることができる「スパースモデリング」や、次世代コンピュータとして期待される量子コンピュータ、とりわけ「量子アニーリング」形式に関する研究活動を展開している。平成28年度文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。近著に「機械学習入門-ボルツマン機械学習から深層学習まで-」、「量子コンピュータが人工知能を加速する」(共著)がある。