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なぜヨーロッパのIT業界は有給完全消化が可能なのか?(2)

Why European IT industry can use all paid holidays?

2017.05.31

Updated by Mayumi Tanimoto on May 31, 2017, 07:10 am JST

前回の記事では、「なぜヨーロッパのIT業界は有給完全消化が可能なのか?」ということで、

1. 必要最小限のことしかやらない

2. 会議が最小限

をご紹介しましたが、今回はその続編。

3. 権限分掌が明確

二つ目は権限分掌がはっきりしていることです。通常はRACIチャートを作って「誰さんは何をやって何の責任があって何の意思決定できます」と決めます。このチャートの中身は雇用契約書、職務経歴書、業績評価の項目とリンクしています。業績評価とつながっているので、基本的にRACIで合意したこと以外はやりません。

他人の仕事を手伝わないし、やることが決まっているので、自分の仕事が終われば家に帰ります。プロジェクやオペレーションでもタスクは大体決まっているので、スケジュールも立てやすいです。外部からの攻撃とかインシデントが合った場合は、暫定的に割当ではないこともやったりしますが、それはあくまで例外です。

RACIを決める際に「俺はこんなことやりたくない」「契約書と違う」と揉めることがあったり、たまにRACI以外のこともやらされるということもありますが、役割がぼんやりとしか決まってない日本の会社に比べるとマシです。

ただしRACI以外のことはやらないので、周囲の人に何か頼んだり手伝ってもらうのはちょっと厳しかったりします。

4. ツールを使いまくる

日本と大きく違う点は、楽をするためのツールを割と簡単に入れてくれることです。グループウェアに始まり、会計管理やシステム管理等々色々ありますが、管理職も幹部も自分が楽をしたいので、わりと気軽に入れます。

人件費が高いので、ツールを入れて工数減らしたほうが会社的に得な場合もあります。

レイオフが頻繁で、業績評価が厳しいので、手動でやって間違えたり問題を起こすのが怖いというのもあります。仕事が適当な人が多いので、システム化したほうが間違いが減ります。それにツールを入れずに従業員にオーバーワークさせると「私の人権を侵害した」とか「職場環境に注意を払わなかった」と会社や管理職が訴えられることもあるので注意が必要です。

例えば過剰にタイピングしなければならない書類があって、腱鞘炎になった、これは労災だと会社を訴えた人がいました。(実際目撃)こういうリスクを防ぐためにツールを入れて対策しました、というのをやらないとならないわけです。

もちろんどこも豊富に予算があるわけではないので、無限にいられれるわけではないですし、時には何とか事業部長のお友達の会社のツールを入れてしまったりという自体も発生するわけですが、しかし、日本の会社と比べると、まだマシな方です。作るのは面倒くさいので、内製しないでサードパーティーのを入れて、車内のビジネスプロセスをあわせて変えるというのもよくありまス。とにかく面倒くさいのが嫌なので、楽な方、楽な方を選びます。だから休めるんです。

その他のポイントに関しては次回の記事に続きます。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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