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SDN自動化やDDoS攻撃対策に対応、IoT時代対応の高密度IPルーターをノキアが発表

2017.06.28

Updated by Naohisa Iwamoto on 6月 28, 2017, 06:25 am JST

IoTの拡がりや5Gの今後の商用化などにより、ネットワークを流れるトラフィックは爆発的に増加することが想定される。一方でサービスを妨害するDDoS攻撃などのセキュリティの脅威も増え続けている。フィンランドのノキアは、こうした今後の状況に対応するための最新のIPルーティングチップセット「FP4」と、IPルーティングプラットフォームを発表した。

IPルーティングチップセットの「FP4」は、名前の通り「FP1」から始まるチップセットの最新版との位置づけだ。ノキアのアジア太平洋地域 IP/Opticalネットワーク事業責任者のケント・ウォン氏は「2003年に登場したFP1は10Gbpsの処理能力を持つプログラマブルなネットワークプロセッサだった。FP2で100Gbps、FP3で400Gbpsと性能を高めてきたが、今回は一足飛びに6倍の処理能力の2.4Tbpsの処理能力を実現した。業界で初めて1TbpsのIPネットワークフローをサポートするチップセットだ」と語る。一方で16nmの加工線幅や2.5次元実装などによりチップセットを小型化して電力効率をアップ。容量と電力効率を高い次元でバランスさせることに成功したという。

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FP4を搭載するIPルーティングプラットフォームとしては、シングルシェルフのサービスルーターの製品群である7750SRシリーズに最新の7750SR-sを追加した。搭載できるラインカードの数により4種類を用意し、最大構成の7750 SR-14sでは最大144Tbpsの高密度構成をサポートする。さらにシステムデザインとしては最大288Tbpsの構成まで拡張が可能だという。また、コンパクトながら高密度と高機能を求めるケースに向けて、最大2.4Tbpsのコンパクトサービスルーター 7750 SR-1も新しくラインアップに加えた。

また複数のシャーシを連携して論理的に1台のルーターとして動作させることで、超高密度の実装を実現するエクステンシブルルーティングシステムとして、7950 XRS-XCをラインアップした。2台、4台、6台構成で拡張が可能で、最大構成にした場合には576Tbpsのスイッチング容量を備える。「576Tbpsを実現したことで、ようやくP(ペタ)bpsの桁が見えてきた。業界初のペタバイトクラスのルーターの製品化に成功した」(ウォン氏)。

FP4の開発と採用によって、高密度のルーターを提供することのメリットをウォン氏はこう語る。「これまで、他社の高密度なルーターはデータセンター向けなどに特化していて機能はあまり高くなかった。ノキアの新製品はフル機能を備えていながら高密度、大容量のルーティングに対応する。これによりネットワークのインテリジェンスやセキュリティへの対応を高めることができる」。

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インテリジェンスの面では、ネットワークアナリティクスとSDN自動化の連携を挙げた。「ノキアが買収したディープフィールドのアナリティクス技術を用いることで、ネットワークのリアルタイム統計情報やOTT企業によるネットワーク利用パターンなどの相関を解析し、リアルタイムにトラフィックの可視化が可能になった。この情報を元に、ポリシーをSDNコントローラーに送ることで、FP4搭載ルーターではプログラムをリアルタイムに制御することが可能だ。ネットワークアナリティクスからSDNの高いコントロール性がもたらされる」(ウォン氏)。

もう1つの側面がセキュリティ。ウォン氏は「これまでのDDoS攻撃への対応は、悪質なトラフィックを除去するスクライビングセンターなどにトラフィックを転送する形態が中心だった。しかし、例えば1TbpsといったDDoSトラフィックに攻撃されたら、スクライビングセンターへの転送すら不可能になってしまう。FP4ベースのルーターを使えば、IPエッジに設置したルーターで高速処理が可能なため、多くのDDoSトラフィックのフィルタリングがIPエッジで行える」と説明する。

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「機能と性能を両立させ、単なるルーター以上のことができる」とウォン氏がアピールする最新のIPルーティング製品のポートフォリオは、今後の通信事業者やサービスプロバイダーのネットワーク構成を検討する上での1つの判断指標になりそうだ。

【報道発表資料】
ノキア、インターネットの次なる扉を開く - クラウドとIoT時代に必要な圧倒的パフォーマンスと最高レベルのセキュリティを実現するイノベーション

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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