カラシニコフのAI兵器はスカイネットになり得るか?

Kalashnikov's new AI weapon to be skynet?

2017.07.31

Updated by Mayumi Tanimoto on 7月 31, 2017, 00:33 am JST

世界一の殺傷マシンとして有名なAK-47を作っているロシアのカラシニコフが半自動化されたAI搭載の兵器を市場に投入すると地味に発表しています。コミュニケーションディレクターのSofiya Ivanova氏がタス通信に伝えたところによれば、カラシニコフグループはニューラルネットワークを使用した武器を発表していく方向と述べています。

8月の後半にモスクワの愛国者公園にある展示場で開催されるArmy-2017 では、AIを搭載した半自動化された兵器のデモンストレーションを行うと発表しています。このイベントは大規模な武器展示会なのですが、一般にも公開されており、入場料は日本円で700円程度とやたら安くなっています。モスクワからは車で一時間ぐらいのところにあって、ガルパンな方にはおなじみのクビンカ戦車博物館の近くです。

ロシアのAI兵器といえばPlatform-MやUran 14も気になったりするわけですが、なんとなくスカイネットっぽいですね。

 

カラシニコフはここ数年、ドローンやAIを搭載した次世代型武器の提供に熱心ですが、傘下のZALA AEROが提供するZALA 421-16E2と呼ばれるドローンも注目されていますね。7.5キロと軽量で、50キロ圏内の移動が可能です。旧世代機のZALA 421-16E5 に比べるとぐんと小さくなった印象です。(以下の動画はZALA 421-16E5 )将来的にはドローンにもAIを搭載するのかもしれません。


ここ数年米を中心に、AIや脳科学者、物理学者などがAIを使用した兵器の規制を求める運動に参加していますが、スティーブ・ホーキング博士、イーロン・マスク、ノーム・チョムスキーなどの著名人も賛同しているわけですが、英語圏や欧州では、AIの脅威に関して語られる場合に出てくる話が、兵器だったり、プラットフォーマーがアルゴリズムを支配すると困るといった話題です。

AUTONOMOUS WEAPONS: AN OPEN LETTER FROM AI & ROBOTICS RESEARCHERS

これは、日常生活でテロに関するニュースに触れることが多いことや、オンラインショッピングが盛んになり個人経営の小売店が凄まじい速さでなくなっていること、企業の統廃合が凄まじく寡占化が進んでいることなどを反映しているのでしょう。ニュースでは毎日の用にシリアの凄惨な動画が流れ、欧州の場合は、毎月というよりも、毎週のようにテロが起こっていますから。日本のテレビや新聞を見ていると同じ時代に住んでいる気がしないのですけども。

私個人としてはAIの実装のキモとなるのは、こういう軍事技術や産業系の話であって、メディアだとどうしても消費者サービスよりの件が強調されてしまうのは、違うんじゃないかと考えています。
日本の場合、AIというと「AIを搭載したロボットの形をどうするか」「AIが40代独身をどうにかしろといっている」といった牧歌的なことや、AIと統計を混同したネタが話題になりがちですが、マスコミが思いっきり間違ったAIの定義をバズワードとして流している間に、気がつくと、他の国では導入がどんどん進んでいて周回遅れになる可能性が高い気がするんですよね。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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