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デジタル教科書の操作データを収集し学習指導に活用へ、東北大学などが実証実験

2017.10.03

Updated by Naohisa Iwamoto on October 3, 2017, 06:25 am JST

学校などの学習のシーンでも、「IoT」の考え方が教育の仕方を変えていくことにつながりそうだ。デジタル教科書などを子どもたちがどのように操作したかの「学習履歴」のデータを分析し、指導や個別学習に活かそうという試みが始まる。

実証実験を行うのは、東北大学、東京書籍、ACCESS、日本マイクロソフト。「小・中学校におけるデジタル教科書 学習履歴データ収集と分析」をテーマとした実証研究を共同で開始する。東京都荒川区立第三峡田小学校と荒川区立第三中学校を舞台に、2017年10月~2018年3月末に実施するものだ。

デジタル教科書が2020年ころから本格的に導入されるようになると、それぞれの子どもが「いつページをめくったか」「どの部分を注視したか」「何を書き込んだか」といった行動を取った学習履歴データの取得が可能になる。こうしたデータを基にした的確で継続的な指導が行えるようにするための基礎研究として、学習履歴の取得から分析、活用にいたる実証研究を行うことにした。

具体的な内容としては、「データ収集」「分析と活用」について検証する。データ収集では、東京書籍のデジタル教科書のプロトタイプ版のコンテンツが掲載されたACCESSのデジタル教科書・教材用ビューア「Lentrance Reader」を利用。これを機能拡張することで学習履歴データの効果的な取得について検討する。

分析と活用では、蓄積された学習履歴データを活用することで、子どもたちの1人ひとりに最適化した指導に必要なデータ分析手法や、レポート形式を検討する。また、データ分析やレポート作成を自動化することによって、教員の負担軽減を目指し、結果として子どもたちと触れ合う時間を増やすことを狙う。

【報道発表資料】
東北大学と東京書籍、ACCESS、日本マイクロソフト「小・中学校におけるデジタル教科書 学習履歴データ収集と分析」共同実証研究を実施

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。