画像はイメージです original image: © Kalyakan - Fotolia.com
海運セクターの改革、ブロックチェーンで荷物を運ぶ
2017.12.01
Updated by WirelessWire News編集部 on December 1, 2017, 07:00 am JST
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2017.12.01
Updated by WirelessWire News編集部 on December 1, 2017, 07:00 am JST
イスラエルの大手海運会社「ZIM統合海運事業会社」が、米国の「SPARX Logistics社」、イスラエルのスタートアップ「Wave社」と共に、海運業界に変革をもたらすかも知れない実証実験を行った。
記事(「Using blockchain, Israel's Zim eyes sea change in musty shipping sector」)によれば17世紀から変わっていないルールをブロックチェーン技術が変えることになるかも知れないという。運輸業者が荷主に対して、荷物を受け取ったことを証するために発行する船荷証券をブロックチェーンでペーパーレス化する。
モノを輸出する場合、輸出業者がモノを輸送業者に引き渡すと、その受け取りの証明書として船荷証券が輸送業者から輸出業者に発行される。船などでモノが輸入国の港に到着すると、輸入業者が船荷証券を提示して、モノを受け取る権利があることを輸送業者に示すことになる。船荷証券という紙は、輸出業者から輸入業者に対して、航空便などを利用し、別ルートで受け渡されることになる。このように、船荷証券には複数の当事者が関与するため、それぞれが証書の信頼性を確認する透明な方式が必要となる。
ブロックチェーンは、ビットコインにより知名度を上げたため仮想通貨技術を強く想起させるが、根本は分散型の台帳である。取引履歴の記録が残り、改ざんできないことが大きな特徴で、仮想通貨だけでなく、契約や証書、正式な議事録などの電子化に効果を発揮する。船荷証券のペーパーレス化はコスト削減、迅速なやり取り、エラーのない文書交換と記録など、現在の方法の問題点を一気に解消できるという。
船荷証券の電子化は各国が進めており、欧州ではBolero(Bill Of Lading Europe)、日本では経産省主導のTEDI(Trade Electronic Data Interchange:貿易金融EDI)などがあるが、いずれも世界標準とはなっていない。ブロックチェーンを活用するWaveのアプローチが、船舶にとっても荷主にとっても簡便な方法で正確性が確保できれば、デファクトの地位を獲得する方式になるかも知れない。
【参照情報】
・ZIM's Groundbreaking Blockchain-Based Bill of Lading
・ZIM Trials Blockchain Bill of Lading
・ZIM Brining Blockchain Technology into Shipping
・Using blockchain, Israel's Zim eyes sea change in musty shipping sector
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