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ビールと紙オムツの向こう側、ECサイトでカートを放置させないために

2017.12.12

Updated by WirelessWire News編集部 on 12月 12, 2017, 07:00 am JST

20世紀後半、アメリカの小売店で売れた商品を調べてみたら、ビールと紙オムツが一緒によく売れているということが(理由は不明だが)分かったというのが、いわゆるショッピングカート分析、データマイニングの初期の有名な事例とされる。

一緒に売れるものを近くに陳列すれば、消費者にとってはカートに入れやすく、あるいはうっかりしていても目に入ることで、同時購入する可能性が高まり、売上アップにつながる。今では、スーパーマーケットでも普通に刺身の近くにワサビが置かれている。

オンラインショッピングでは、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」「この商品を見た人はこんな商品を買っています」というオススメが表示されて、消費者の「ついで買い」を促している。

スーパーマーケットでは、レジでの精算時の情報をベースに分析することになるから、どういう順番でバスケットに入れたかは分からないし、手に取ったけど、あるいは注視したけれどもバスケットに入れなかった商品についても情報を得ることができない。そのため店内にカメラを設置したり、調査員が目を光らせたりして、買い物客の動線を分析しているケースもある。

しかし、買い物客はカートやバスケットに入れた商品は、ほとんどの場合、そのままレジまで持ってきて精算してくれる。よほど無礼な客でない限り、商品の入ったカートを放置して出て行ってしまうことはない。

一方、オンラインショップの場合は様相が全く異なる。ある調査(「7 reasons why customers are abandoning your mobile shopping cart」)によれば、平均で68%のショッピングカートが、精算まで到らずに放棄される。一応、「カートに入れる」ボタンはクリックしたものの、決済に進む前にやめてしまった経験は誰しもあるのではないだろうか。この数値はモバイルのEコマースでは97%に跳ね上がるという。

オンラインでは、消費者の側に時間があるようでないし、オススメがうるさいこともあるし、決済手段の選択や配送の指定が面倒だったりする。カートを放置しても、店員に睨まれる心配もない。

イスラエルのスタートアップ「Datacrushers」は、ショッピングカート放棄をトラッキングするECサイト向けプラットフォームを提供している。

顧客の行動をトラッキングするアルゴリズムを使ってECサイトに改善策を提示するのだが、言語は無関係なので多言語サイトに適用できる。サイト内の行動をトラッキングするサービスはすでにいくつも存在するが、カートの放棄に着目して総合的な分析を行う点でDatacrushersはユニークだという。

Datacrushersは、顧客、製品、サイトの3レベルで分析を行う。さらに、電子メールやショートメッセージによるプロモーションとも連動させて、放置すれば買わないかも知れない顧客への一押しも行う。

同社のサービスは、すでに「skiddoo」「SubiSpeed」「RitzCamera」など複数の大型ECサイトに導入されており、売上の増加に貢献しているという。

【参照情報】
Getting to ka-ching: Israeli startup aims to stop aborted online shopping
7 reasons why customers are abandoning your mobile shopping cart

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