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東京スカイツリー イメージ

市街地で5Gの長距離通信を実証、ドコモなどが東京スカイツリーとみなとみらい21で

2017.12.12

Updated by Naohisa Iwamoto on 12月 12, 2017, 09:18 am JST

次世代の移動通信方式として研究開発が進められている5Gで、要件の1つである超高速通信を高い周波数体で実現する複数の実証が、NTTドコモなどによって行われた。東京スカイツリーから浅草、横浜市みなとみらい21地区といった市街地で、5Gの超高速通信を長距離で実現できたことで、技術の有効性を確認できたという。

NTTドコモなどが発表した実証実験は2つある。1つは2017年11月13日に横浜市みなとみらい21地区でファーウェイと共同で実施したもの。もう1つは、東武鉄道、ドコモ、ファーウェイの3社が、2017年12月6日に東京スカイツリーと浅草の間で実施したものである。超高速通信の市街地や都市部における長距離での実現に加え、みなとみらい21では移動する端末との超高速通信も実証し、実用化や新サービス創出につなげていく。

具体的な内容は以下の通り。みなとみらい21地区での実証では、ミリ波と呼ばれる周波数帯の39GHz帯を利用した。横浜メディアタワーに設置したファーウェイの5G基地局から、約1.5km離れた地点でファーウェイの5G移動局装置を搭載した測定車両の間で通信を実施。時速20kmの移動時に、下り最大2.02Gbps、静止時に下り最大3.35Gbpsの超高速通信を実現した。移動基地局を約1.8km離れた地点に移動した場合でも、静止時に下り2.14Gbpsの通信が可能だった。この実験では、5G基地局に人工物質のメタマテリアルを応用したレンズアンテナを用いた。これによりアンテナを小型化し、ビームフォーミングによるミリ波帯の長距離伝送を実現した。

東京スカイツリーの実証では、5Gで有望な周波数帯と考えられる28GHz帯を用いた。ミリ波帯よりも周波数は低いが、既存の4Gなどで使われている周波数帯より一ケタ高い周波数になり、特性も異なる。実験はドコモが東武鉄道との協力で構築した「5Gトライアルサイト」で実施した。東京スカイツリーの展望デッキ「フロア340」に設置したファーウェイの実験用無線基地局と、東武鉄道浅草駅ビル屋上に設置したファーウェイの移動基地局の間の約1.2kmで実施。下り4.52Gbps、上り1.55Gbpsn超高速通信を実現した。実験では、5Gの要素技術として注目されているMassive MIMO技術を使って、多数のアンテナ素子を利用したビームフォーミングを実施した。

【報道発表資料】
39GHz帯を用いる5G移動通信の長距離伝送実験に成功
東京スカイツリーから浅草への28GHz帯を用いた5G長距離伝送実験に成功

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。