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北米と欧州北部のIT業界ではなぜ部下を叱責しないのか

How to provide better feedback

2018.02.26

Updated by Mayumi Tanimoto on February 26, 2018, 07:10 am JST

日本と海外の働き方を比較していてよく気がつくことの一つに、上司の怒り方が違うということがあります。

特に北米と北部欧州では、IT業界であっても部下や協力会社の人を叱責したり、怒鳴りつけたりすることはまずありません。

何か問題があった場合、別室やちょっとリラックスできるカフェで話をしたりするのですが、その際に、その人を責めるのではなく「何か困ったことはないですか?」と相談に乗るような形で話をします。「一緒に問題を解決しましょう」という感じです。

これは部下に対して仕事のフィードバックする時にも同じで、パフォーマンスが芳しくない場合でも、人前で叱責することはありません。怒鳴ることはご法度です。

あくまで相手の気持ちを傷つけずに柔らかい言い方をしつつ、「一緒に考えましょう」「一緒に仕事しましょう」という調子で話をします。「改善できる機会を探す」ということにフォーカスしていて、相手の能力不足やミスを責めるというわけではないんです。

こういったやり方をするのには、単に働く方から訴訟を起こされるのが怖いというのもあるのですが、むしろ自分と相手の関係を良い方向に保ちたいという動機の方が強いように思います。

なぜなら、北米や北欧州では転職が普通なので、別の会社に転職しても、かつての部下や上司、同僚などに巡り会うことが頻繁だからです。関係が悪化してしまうと新しい職場でも仕事がうまくいきませんし、複数の会社で協業する場合も関係が悪化した人がプロジェクト内にいたりすると仕事がやりにくくなってしまいます。

こういったフィードバックのしかたは、転職が頻繁で組織に依存しないで働く人が多い社会の知恵といえると思います。

さらに、相手と良い関係を保ちながら仕事をした方が生産性が向上するのは目に見えています。 仕事の目的というのは課題を解決することで、相手を罰することではありませんから、これは大変現実的な考え方ではないでしょうか。

しかし日本の場合は、いきなり人前で叱責をしてしまったり、ひどい場合は怒鳴ってしまうような上司がいたりします。日本だと指導熱心なだけだ、熱血だと良い評価をされることもあるわけですが、北米や北部欧州だと、職場の雰囲気を悪くする人、理性的な判断ができない人といわれて信頼を失うこともありますので注意が必要です。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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