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一般公道で5Gを使った自動運転の実証、アイサンテクノロジー、KDDIなどが実施

2019.02.08

Updated by Naohisa Iwamoto on February 8, 2019, 06:25 am JST

人口減少や少子高齢化の影響から、高齢運転者の増加や移動手段の減少といった社会課題が浮かび上がってきている。こうした課題に対応して将来の移動手段の確保を目指す取り組みとして、5Gを使った複数車両の自動運転の実証が行われる。

実証実験は、2019年2月9日に愛知県一宮市で実施する。愛知県による「平成30年度自動運転実証推進事業」における自動運転の実証として行われるもの。今回の実証実験では、国内で初めて、一般公道で5Gを活用して複数車両の遠隔監視型自動運転を実施する。具体的には、2台の自動運転車を用意し、そのうち1台に5Gの通信機能を搭載する。2台の自動運転車は無人の状態で自動走行を行う。自動走行に当たっては、遠隔地にいる1名の運転手が対象となる2台の自動運転車の状況を監視し、緊急時には遠隔制御を行う。

▼実証実験に利用する5G対応自動運転車(ニュースリリースより)

実験に参加するのは、事業を統括するアイサンテクノロジーをはじめとする7社・団体。アイサンテクノロジーは、高精度3Dマップの更新/作成やアプリケーション作成、自動運転の実証を行う。KDDIが5G自動運転車の開発、提供、4Gネットワークの提供、5Gエリアの構築、評価、通信システムの提供を、KDDI総合研究所5G自動運転車の開発、提供と遠隔自動運転実現のためのシステム設計を行う。このほか、損保ジャパン日本興亜が自動運転にかかわるリスクアセスメントを、ティアフォーが自動運転ソフトウエアの提供を、岡谷鋼機が自動運転事業の実用化検証の支援を、さらに名古屋大学がモニター調査ととりまとめを担当する。

自動運転の高度化が実現されることで、買い物難民やバス・タクシー運転手不足に対する市民の移動手段としての活用のほか、観光促進や車産業振興にもつながることが期待される。実験に参加する企業・団体は、それぞれが持つ知見や要素技術を連携させて実証実験を行うことを通じて、新しいモビリティサービスの提供の実現を目指す。

【報道発表資料】
国内初、5G等を活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験の実施

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。