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ポストデジタル時代は「DARQ」で競争優位に! アクセンチュアがトレンドを解説

2019.04.24

Updated by Naohisa Iwamoto on April 24, 2019, 06:25 am UTC

ポストデジタル時代が到来し、DARQをはじめとする5つのテクノロジーに備える必要がある--。アクセンチュアは世界中の経営層やIT部門役員など6600人以上を対象に調査を実施して「Technology Vision 2019」をまとめた。その中で、すでにデジタル時代からポストデジタル時代へと変化が進み、そこで企業は新しいトレンドに対応する必要があると訴える。

2019年4月にアクセンチュアが都内で実施したTechnology Vision 2019の説明会では、アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェア エンジニアリングサービスグループ統括 マネジング・ディレクターの山根圭輔氏が2019年以降に備えるべきトレンドを解説した。

山根氏は「2015年、平成の時代に思い描いていたデジタル時代は、SMAC(ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウド)により顧客を中心とした調和したバラ色の世界だった。ところが令和の時代を迎える今、調和が取れた理想的なデジタル時代が広がっているかというと、答えはノーだ。良くも悪くも右斜め上に向かういびつな世界が広がっている。ポストデジタル時代の到来であり、その時代に企業がどう対処する必要があるか、取り得る現実をきちんと捉えなければならない」と語る。

ポストデジタル時代のトレンドを、アクセンチュアは5つのキーワードで整理した。

・“DARQ”の力
・「私」を理解せよ
・「ヒューマン+」としての労働者
・自身を守るために全体を守る
・マイマーケット

最初の「“DARQ”の力」は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術(Distributed Ledger)の「D」、AIの「A」、VR/ARの「R」、量子コンピューティング(Quantum Computing)の「Q」を示す。ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウドのSMACがベースにあることは変わらないが、企業が競争力を高めるためにはSMACにDARQの力をプラスアルファすることで、差異化ができると説明する。

2つ目の「「私」を理解せよ」とは、単純なパーソナルアイデンティティを超えたテクノロジーアイデンティティによる「私の拡張」への対応を示す。住所氏名年齢などのパーソナルアイデンティティだけでなく、ネット上の行動やSNSに投稿した写真、コメント、自宅のロボット掃除機が収集した情報などからも固有の消費者像(=テクノロジーアイデンティティ)が捉えられるようになってきている。これらの活用の仕方やプライバシー保護との兼ね合いなど、「私」の理解と活用が迫られる。

3つ目の「「ヒューマン+」としての労働者」は、次世代の労働者像をどう構築していくかにつながる。大量採用して機械やシステム、設備に投資をして仕事をさせる「ヒューマン」から、AIなどのテクノロジーを活用して個々の能力を引き出し大きな力を発揮できる「ヒューマン+」を育てるという考えだ。ここでは、AIによる適正判断やマッチング、面談などで一人ひとりの個性を見極める側面と、業務をAIが支援することで能力を高める側面があるという。

4つ目の「自身を守るために全体を守る」では、エコシステムに対するセキュリティの重要性を説いている。デジタルエコシステムでは、エコシステム内で最も弱いところが攻撃者の標的になる。「フィットネストラッキングアプリの利用による機密情報の流出の例を紹介する。多くの軍人がこうしたアプリでトレーニングをしていたことにより、匿名行動データから隠されていた軍事拠点が可視化されてしまった。セキュリティの重要性はポストデジタル時代にも下がることはない」(山根氏)。

最後の「マイマーケット」は、顧客のニーズに「今」すぐに応えることを意味する。機会を捉えるための「今」が、ポストデジタル時代には「瞬間」になり、顧客の瞬間の行動に対して、サービス提供側や製品製造側が即応していくことが求められる。「ユーザーの行動をリアルタイムに写像するデジタルツインを構築し、サービス提供側や製品製造側も物流や製造をデジタルツイン化して、その上で双方のデジタルツインをAIでマッチングしてリアルな世界に自動的に反映するような世界観が求められる」(山根氏)。

それでは、2019年に求められる5つのキーワードへの対応に対して、日本の現状はどうか。山根氏はこう語る。「DARQの力については、その前段のSMACがまだ道半ばである企業が多い。一方でデンソーのようにDARQを差異化のキーとして着手している企業もあり、差が開いている。『私を理解せよ』については、情報が統治されないままどんどん進んでいくリスクがある。企業格差が拡がる怖れがあるだけでなく、企業が情報に対する哲学を持っていないと危険だ」。

ヒューマン+としての労働者については、実用で使い始めている企業がある一方で、そもそもそうした考えに気づいていない企業が多いことを指摘。セキュリティについても、エコシステム時代のリスクについてまだ気づいていない企業が多いと現状を見る。マイマーケットの実現について山根氏は、「個々の実現手段は揃ってきているが、実際に人間を中心に据えたデザインをするのはこれからだろう」と語る。

こうした状況で、ポストデジタル時代に対応する次のステップに向かうためには、「個別のテクノロジーに振り回されるのではなく、企業として差異化するためのオリジナルなストーリーを紡ぐことが必要だ。哲学やオリジナルなストーリーを持つことが、令和の時代にやってくるポストデジタル時代への準備になる」と、山根氏は解説を締めくくった。

【報道発表資料】
ポストデジタル時代の到来を迎え、パーソナライズされたリアルな体験の提供が企業に新たなビジネスチャンスをもたらす――アクセンチュア調査レポート「テクノロジービジョン2019」

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。