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「ヒトとRPAで5倍の生産性の差」を実演、ディップが人材採用向けRPAの発表会で

2019.08.30

Updated by Naohisa Iwamoto on August 30, 2019, 06:25 am JST

働き方改革や人手不足解消の切り札になるとされるRPA(ロボティックプロセスオートメーション)。導入する企業や団体が増え、年間数百時間の業務削減につながったという事例も多く目にする。そうした中で、派遣会社に特化した人材採用を支援するRPAサービスの発表会で、「ヒト vs. ロボット」の業務対決のデモが行われ、5倍の効率で働くロボットの力を見せつけた。

ヒトとRPAの対決のデモを行ったのは、ディップのRPAサービスの発表会の場である。ディップは、アルバイト・パート求人サイト「バイトル」、総合求人情報サイト「はたらこねっと」などを提供する人材サービス事業を展開する。その中で特に中小企業の人手不足や労働力不足の問題が社会課題として強く認識し、AI(人工知能)やRPAを有効に活用することで社会課題を解消したいという思いでRPAサービスの開発・提供に向かったという。

▼ディップが提供する「コボット」の特徴

ディップの新サービスは、中小企業の業務効率化を支援するRPAを月額費用で使えるサービスとして提供するもの。ファストファッションやファストフードのように低価格で誰でも使えるRPAを目指し「FAST RPA『コボット』」の名称で提供する。その第一弾として2019年9月2日に、派遣会社の人材派遣業務に特化したサービスの提供を始める。はたらこねっとの3000社の定例業務を分析し「応募対応」「出稿業務」「派遣業務管理」を効率化できるテンプレートを提供。ゼロからの開発ではなくテンプレートを用いることで、低コスト、短期間で導入が可能になる。また月額費用の支払いだけで、遠隔からの24時間365日のサポートを標準的に利用できることで、導入後の安定したRPAの運用を実現する。

特に、遠隔からの24時間365日サポートでは、入出力するWebサービスのデザイン変更などでロボットが止まってしまうようなトラブルに対しても、RPA管理システムがディップの監視スタッフにアラートを通知。必要に応じてディップの開発チームがリモートでロボットを修正して、短時間で業務を再開できるような対応を行う。業務効率化のためのRPAが、いつの間にか使われなくなって元の木阿弥になるという事態を防ぐ。

▼ヒトとロボットの「コボット」がデータ転記業務で対決

デモが行われた「ヒト vs. ロボット」では、求人情報サイトの出稿データを、元データとなるExcelファイルから情報を転記して作成する業務で対決した。熟練したヒトが1件分の情報を転記し終えた1分54秒の時点で、ロボットは5件の情報の転記を済ませて圧勝。疲れやミスがなく、ヒトよりも効率よく作業を続けられるロボットの特徴を目の当たりに示した。

▼ヒトが1件を入力し終えた時点で、ロボットは5件の入力を完了

【報道発表資料】
RPA業界の抱える"3つの課題"を解決する、新たな「FAST RPA」を提起 ディップ、FAST RPA『コボット』提供開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。