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イギリスは共産主義に移行するのか?(1)

Would UK move to communism?

2019.11.23

Updated by Mayumi Tanimoto on November 23, 2019, 15:54 pm UTC

12月の総選挙が迫ってきておりますがイギリスでは選挙の話題よりも、チャールズ皇太子の弟であるアンドリュー王子が王室をクビになった事件のほうが、はるかに大きな扱いです。クリスマスの直前に総選挙をやる政府にカンカンになっている人が多いことが伺えます。寒い中、投票所に行かなければならないですから怒るなというほうが無理でありましょう。

さて、この総選挙にあたって、今週イギリスで大変な話題になったのは労働党の「マニフェスト」です。このマニフェストが大きな注目を集める理由は、その内容が思いっきりマルクス主義であるからです。労働党の伝統的な支援者でさえもひっくり返るような内容で、呆れている人が多いといえましょう。

イギリスの左派系メディアでさえも、このマニフェストは1984年に労働党が発表した恐ろしく共産主義的なマニフェストをしのぐガチのマルクス主義だと述べています。

今の50代以上の方だと、当時はサッチャー政権が第2期目で、圧倒的な勝利を記録したことを思い出す人が多いようです。

さて、このトンデモなマニフェストの内容をザックリとご紹介しましょう。

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<Brexitと移民関連>

Brexitに関しては、ほぼプランなし

EU市民は、従来のように自由に移動と居住

EU市民は、制限なしに家族を自由に連れてくることができる

不法移民や外国人犯罪者を収容する主要な収容センターは、閉鎖(要するに収監しない)

<公共支出>

国立病院の予算は、4.3%上昇

公務員の賃金を一律5%賃上げ

ストの禁止を撤廃(現在は制限がある)

福祉手当の上限を撤廃(現在は1人いくらまでと上限がある)

公立の学校の政府による評価を撤廃(現在は公立の学校は政府による監査があり一定水準に達しない学校は閉鎖や改善となる。教員の業績評価もある)

アカデミーやフリースクールの撤廃(規制緩和により登場した新しい形態の公立校)

民間の賃貸住宅の賃料の上限を設定(要するに政府が家賃を決める)

6カ月以下の禁固刑を撤廃(要するに懲役が短い人は刑務所に入れない)

大学の学費を無償化(現在は国内学生の場合、年に150万円ほど払う。昔は無料)

光熱企業の国有化(現在は民営)

BTを始めとするブロードバンドの国有化(現在は民営)

 

なお、公共支出に関しては、財源の出どころは明らかになっていません。次回は、このマニュフェストの税金部分をご紹介します。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。