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アメリカのテック業界はマッチョで白人主流の業界

US tech industry is white male centred

2020.07.28

Updated by Mayumi Tanimoto on July 28, 2020, 11:33 am JST

アメリカではBLM(Black Lives Matter)ムーブメントが相変わらず盛んですが、特に運動が盛んな地域の主要産業であるテック業界が、BLMとは正反対の男性中心のマッチョで白人主流な世界だということはあまり議論されませんね。

テック業界は、カリフォリニアやNYなど多様性を重んじるリベラルな地域にあるわけですが。

例えば、Googleの2014年の従業員のうち男性は83%、60%は白人、30%はアジア系で、ヒスパニックは2.9% 、黒人は1.9%でした。

アメリカの人口におけるヒスパニックの18.1%、アフリカ系の12.7%という割合を考えたら驚くべき数字です。一方、アジア系は5.6%とさらにマイノリティではありますが、テック業界では割合が高いですね。他業界に行かずにテック業界に集中しているのが分かります。

また、全産業における女性の働く人の割合が47%ですから、アメリカのテック業界では17%というのも驚くべき数字です。1970-80年代の「オフコン」の時代には女性の技術系の人がもっといたのですが、ここ20年で減っています。テック業界の就労環境は向上しており、報酬も増えているのに、多様性は時代に逆行しているというのが興味深いです。

批判を受けてGoogleは多様性プログラムに投資し、2020年にはヒスパニック系は5.9%、アフリカ系は3.7%に増加していますが、まだまだ多様とはいえないですね。

他の企業でも、アフリカ系は少なくなっています。Salesforceが2.9%、Facebookは3.8%、Slackは4.4%、Microsoftが4.5%、Twitterは6%です。普段、多様性についてせっせと広報している会社が、実は自社内が全然多様じゃないわけです。いろいろな面でユルそうなSNS系の会社でも、実はマイノリティは少ないというのに結構驚かされます。

若干多めなのが、Lyftの9%とUberの9.3%ですが、賃金の安いオペレーション部門に偏っています。Appleは9%ですが、低賃金な小売部門の雇用が多いです。

最も多いのがAmazonの26.5%ですが、賃金が安い倉庫や配送部門が主流。管理職ポストの場合は、8.3%と低めです。つまり、技術部門や管理系部門には恐ろしく少ないというのが実態です。

こういう事実は、なぜかIRなどでは指摘されないわけですが、その割には広報活動では多様性を強調していて、BLM運動に資金提供しているのが謎ですね。自社内の多様性はどうでもいいようです。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。