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ポストコロナ時代は伝統的なメディアが復活する

Return of traditional media

2020.08.21

Updated by Mayumi Tanimoto on August 21, 2020, 12:23 pm JST

ソーシャルメディアの重要性がますます高まっているような印象を受けますが、イギリスを始めとして欧州では、むしろソーシャルメディアを情報プラットフォームとして使うことに疑いを抱くユーザーが増えています。

イギリス通信庁(Ofcom)の最新の調査によれば、2019年と比較してソーシャルメディアをニュースソースとして使用すると答えた人は49%から45%に減少しています。この傾向は、Facebook、 Instagram、Twitterのいずれのユーザーも同様で、動画やニュースをシェアしたくないと答えている人が増えています。

一方、テレビからニュースを得ると答えた人は75%を超えており、テレビの人気が下火になっているといわれているのとは異なる光景が見えてきます。テレビのニュースはまだまだ信頼できるソースとして扱われています。

インターネットからニュースを得ると答えた人は65%と案外低めで、新聞からニュースを得ると答えた人は35%です。

これはコロナ騒動が起こった時期のデータを含んでいませんが、コロナの最中の動向を含めると、驚くべきことにテレビや新聞、ラジオといった伝統的なメディアを通してコロナに関する情報を得ると答えた人が8割を超えています。

つまり、ネット上、特にソーシャルメディアの情報というのは信頼できないので、命に関わるような情報はやはり伝統的なメディアから得るべきだと考えている人が多い、ということです。

イギリスでは、ネットの広告費がテレビを上回る状態になってきていましたが、ここに来てソーシャルメディアやネットメディアのノイズの多さ、品質を担保できないことなどに対して、ユーザーが大きな不安を抱いていることがはっきりしました。伝統的なメディアの品質管理、保証、安定性といった根本的な良さが見直されているわけです。

速報性や柔軟性ではネットにどうしても負けてしまうわけですが、品質を担保する、編集力、説明責任といった点で、伝統的なメディアにはまだまだ大きな役割がある、と見直されました。原点回帰というわけで、テレビ、新聞、ラジオが復活するかもしれません。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。