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イギリスではロックダウンでストリーミングが大人気に

Lock down bring users to streaming services

2020.08.22

Updated by Mayumi Tanimoto on August 22, 2020, 08:51 am JST

コロナ騒動でメディアのあり方が激変しているわけですが、イギリスで最も大きな影響があったのがストリーミング業界で、今後のコンテンツ消費の方向性を大きく変えるとみられます。

前々回にご紹介したイギリス通信庁の最新調査では、コロナのロックダウン以後のメディア消費の最も大きな変化として、テレビやオンラインコンテンツの消費が大幅に伸びた点が指摘されています。

1人あたりの視聴時間はなんと、1日に6時間25分で1週間にすると45時間です。これは昨年同時期より30%増加しています(Ofcomの「Lockdown leads to surge in TV screen time and streaming」)。増加の最も大きな後押しとなったのが、オンラインのストリーミング・サブスクリプション視聴の増加で、昨年の同時期の2倍です。

特にこのトレンドは、16歳から34歳で顕著です。成人全体では、メディア視聴の59%をテレビが占めていますが、34歳以下の場合は31%となっており、かなり大きな世代差があることが明確になっています。

さらにコロナは、シルバー世代の視聴者にストリーミングを使うきっかけを与えました。55歳以上のユーザーの間でストリーミングが大幅に増え、55歳から64歳の間で利用が25%から32%、65歳以上の間では12%から15%に増加しています。コロナにより「新しい顧客層」が開拓されたわけです。

日本では自粛期間が短く、その程度も北米や欧州に比べると緩かったせいもあり、完全に家に閉じ込められるという感じではなかったので、ストリーミング人気も北米や欧州ほどではないようですが、今後、ロックダウンが時折発生する可能性があるということを考えると、日本でもストリーミング・サービスが、今以上に伸びるということは十分あり得るでしょう。また、在宅勤務が増加し、仕事をしながら動画を見る人も増えるはずです。

若者の場合は、野外フェスなどの大規模イベントは再開までに時間がかかりますし、クラブや居酒屋などの営業停止や自粛が度々発生することも予想されますから、やはり自宅で楽しめる動画サービスの需要は伸びていくでしょう。

日本の問題は、北米や欧州に比べて、コンテンツは存在しているのにその多くがストリーミングでは提供されていない点です。肖像権や著作権処理の問題がある点は分かるのですが、このビッグウエーブが来ている状態で提供しないというのは実に残念です。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。